韓国『Kakao(カカオ)』のデータセンターが火事になり、国民的コミュニケーションインフラとなっている「カカオトーク」など主要なサービスが軒並み飛んだ件の続きです。
↑ぶら下がりで記者の質問に答える尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領。「(『カカオ』の)独占によって市場が歪曲されているなら国家が対応する」と述べました。/YouTube『聯合ニュースチャンネル』
IT強国である韓国の名声にふさわしくない!
週が開けて尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領のみならず、韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理(=首相)も「IT強国の名声にふさわしくない」という苦言を呈しました。
自称以外で、誰が韓国をIT強国と位置づけているのかよく分かりませんが、『カカオ』のサービスダウンの件は、国家の尊厳を傷つけたものといった位置付けで、大事化の様相を見せています。
韓悳洙(ハン・ドクス)首相は「韓国が真のIT強国に生まれ変わるためには、必ず発展した技術の外見にふさわしい運営の内面を備えなければならない」とも述べています。
さらに、「国民保護の観点から制度整備が必要な事項はないかを関係省庁には積極的に検討してほしい」と政府内に指示しています。
ただ、「人にはふさわしいことしか起こらない」です。今回の火災もある意味、起こるべくして起こったという見方が出ています。
韓国メディアには、今回の火事およびサービスダウンについて、地下3Fのバッテリー室には以前から懸念が出ていた、システムの冗長性に問題があったのに放置した、といった突っ込み記事が出ているのです。
まだ政府、また『カカオ』自身から正式な報告書が出ていないので、これらの突っ込みもどこまで本当なのか分からないのですが、データセンターが増加している中、消防署にはそれに対応するマニュアルもない、と批判する記事まで登場しています。
大統領室は緊急会議開催! 『カカオ』にも緊張走る
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領、韓悳洙(ハン・ドクス)首相の双方から「なんとかしろ」という発破が掛かったので、国家安保室が慌てて対策会議を催しました。
2022年10月18日、金聖翰(キム・ソンハン)国家安保室長が、龍山大統領室で科学技術情報通信部と国家情報院、国防部、大検察庁、警察庁、軍事安保支援司令部、サイバー作戦司令部などからなる「サイバー安保TF(タスクフォース)」を構成し、サイバー安保状況点検会議を開いた――と明らかにしました。
『カカオ』が韓国民のITコミュニケーションインフラを独占したからこのような事態になったのだ、という見方も確かにありまして、上記の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領も「独占が問題なら政府が出る」と述べています。
『カカオ』からすると、「会社をサービスごとに分割しろとか言い出すんじゃあるまいな」と警戒するような発言です。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の発言を受けてなのか、経営の一線から引いていた『カカオ』創業者、金範洙(キム・ボムス)さんが、経営に復帰するのではないかという観測記事が出ています。
ケツに火がついたと見えます。
とりあえず、火事の原因など公式な見解が公表されたらまたご紹介するようにいたします。
(吉田ハンチング@dcp)