韓国は原子力発電所の輸出を成功させようと、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領はじめ必至になっています。尹大統領は「自分が営業に乗り出す」とハッパをかけています。
しかし、これには面倒くさい壁があります。
他でもないアメリカ合衆国です。Money1でもご紹介しましたが、ポーランドの新原子力発電所の建設プロジェクト、その第1期工事に韓国も手を挙げていました。
しかし、同じく手を挙げていた合衆国『ウェスティングハウス』は、韓国が独自開発したと主張する「APR1400」に対して、『ウェスティングハウス』が保有する基本的な特許を侵害しているとワシントンD.C.連邦裁判所に提訴しました。
それが影響したのかは分かりませんが、第1期プロジェクトの400億ドルは『ウェスティングハウス』が受注しました。
ポーランドの原発開発はこの後も続きますので、韓国は第2期以降のプロジェクトを受注すべく、ポーランドとMOU(了解覚書)を交わすところまではいっています。
韓国はまたチェコの原発開発にも目をつけているのですが、『ウェスティングハウス』が提起している訴訟をクリアしなければ、ポーランドの第2期開発、チェコの両方ともうまく運ぶとは思えません。
両方とも同じ「APR1400」でいくつもりだからです。
この懸念について、『韓国水力原子力発電』のファン・ジュホ社長が『ソウル経済』のインタビューに応じているのですが、以下のような具合です。
ファン・ジュホの『韓国水力原子力』社長が「『ウェスティングハウス』との訴訟については、長引くとお互いに損害が発生する」と話した。
チェコ原発に関しては「客観的に私たちがかなり優位」でありながらも「チェコの選択を待たなければならない」と明らかにした。
(後略)
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「황주호 한수원 사장 “웨스팅하우스와 소송, 길게 끌면 서로 손해”」
非常にいい加減というか楽天的な姿勢です。
『ウェスティングハウス』は起こした訴訟について、別に損などしません。韓国が受注できないように圧力をかけるためのカードですし、仮に韓国が受注したところで技術の特許代金をむしり取るつもりでしょう。
さらにチェコの原発受注について、どういう理屈で「相当有利」と判断しているのかよく分かりません。
「客観的な評価によって見ると、韓水原が相当な優位を持っているのが事実」と発言しているのですが、「客観的」というのは誰の意見なのでしょうか。
UAEの時のように秘密の軍事協定込みの激安価格で受注を画策していないか、などが気になるところです。
なにせ以下の記事でもご紹介したとおり「合衆国より4割も安い原発」なのです。
韓国:3,571ドル
中国:4,174ドル
アメリカ合衆国:5,833ドル
韓国が目論んでいる東欧への原発輸出がうまくいくかどうかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)