韓国政府は「自分たちに都合のいい統計データ」ばかりを信じて政策を打っているという話が韓国メディアから出ています。また、「自分たちに都合のいい統計を作っている」とも。
自分たちに都合のいいデータを信じる実例
先に「ついにソウル市内の平均マンション価格が10億ウォン(約9,000万円)を突破した」件についてご紹介しましたが、韓国政府は現在、不動産価格の急騰へ対応できずに無策を非難されています。
『朝鮮日報(日本語版)』の2020年10月03日付けの記事「【記者手帳】市場が信じない統計に今後もこだわり続けるのか」は、不動産価格のデータについて以下のように指摘しています。
ソウルの不動産価格
『韓国鑑定院』の統計:-6.62%
『国民銀行』の統計:-3.89%
差は3%余りです。
ソウルの不動産価格
『韓国鑑定院』の統計:15.33%
『国民銀行』の統計:10.06%
差は5%余りです。だったものが、
ソウルの不動産価格
『韓国鑑定院』の統計:11.65%
『国民銀行』の統計:30.90%
差が「19%」余りにも膨らみました。
政府は『韓国鑑定院』のデータを信じ「それほどの上昇ではない」なんて言うこともあるわけですが、国民の体感する不動産価格の上昇率は、もちろん民間の『国民銀行』のデータに近いわけです。
同記事は以下のように痛烈に政府を皮肉っています。
(前略)
国土交通部の金賢美(キム・ヒョンミ)長官は就任あいさつで「数字で現実を歪めないようにしよう」「現場で国民の体感度に基づいて話をしよう」と述べていた。その通りだ。しかし、現時点でその2点は全く実行できていない。
(後略)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
「都合の悪い結果」が出たら担当者をクビにする
同じく『朝鮮日報(日本語版)』の2020年10月04日付け記事「【朝鮮日報コラム】うそ、真っ赤なうそ、そして統計」では、「文在寅(ムン・ジェイン)政権は数年前の所得主導成長から最近では不動産まで、統計を政権に都合のいいように活用しているとの指摘を受けてきた」として、以下のような例を引いています。
(前略)
青瓦台(韓国大統領府)は文大統領の執権直後から所得主導成長を強く推進してきたが、2018年5月の統計庁の家計動向調査では、青瓦台の期待とは裏腹に低所得層の所得が減少し、低所得層と高所得層の所得格差がさらに拡大したという結果が出た。その後青瓦台は統計庁長を交代した。
当時のファン・スギョン統計庁長は交代させられた直後、イーデイリーとのインタビューで「私はあまり言うことをよく聞く方ではなかった」と話した。
つまり、自分たちに都合のいいデータを出さない統計庁長官をクビにしたのです。
さらに、
住宅政策を担当する国土交通部(省に相当)は今年7月、経済正義実践市民連合(経実連)が「文在寅政権発足以降、ソウルのマンション価格が約52%上昇した」と発表すると「文在寅政権発足後、ソウルのマンション価格の上昇は14.2%だった」と反論した。
経実連が14.2%の根拠について10回以上質問したが、国土交通部は統計法を盾に答弁を拒否したという。
(後略)
このように韓国の現政権は、間違った政策の結果を直視しないで、「自分たちに都合の良いように結果をねじ曲げる」ことを行っています。ねじ曲げられた結果を基にして次の政策を打ちますから、どんどん悪い方に進んでいくというわけです。
(柏ケミカル@dcp)