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韓国「文政権は政府負債の予測も誤魔化していた」対GDP比158.7%で「負債の雪だるま」予測は出ていた

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2023年04月に行われる総選挙に向かって、政争がヒートアップしている韓国

韓国政府は『共に民主党』が支えた文在寅政権の旧悪を暴くことに力を注いています。文在寅政権の駄目だった点を明らかにして、選挙に向けての世論を醸成しようという魂胆です。

恐らく暴くとキリがないのでしょうが、次々と呆れるような話が出ています。どこかでまとめないといけないのですが、また一つ「統計操作」疑惑が出てきました。

政府負債の見通しを操作した――というのです。

政府と国会予算政策処の予測が倍も違う!

文政権下の企画財政部は、2020年の国政監査の場において(2020年10月・企画財政委員会)、異常に増加している政府負債についての見通しを「2060年の政府負債は対GDP比81.1%」予測と述べました。

これは鉛筆をなめた結果だったのではないのか――と今になって『国民の力』のユン・ヒスク議員が指摘しました(2023年10月26日)。

政府負債を測るときには対GDP比率が使われます。

文政権が支出を野放図に拡大したときには、収入がそもそも400兆ウォンあまりしかないのに、足りない分をどんどん国債発行してカバーしました。この支出の拡大が政府負債を積み上げ、対GDP比の数字を悪化させました。

一応、文在寅政権の名誉のために付記しますが、コロナ禍があって流動性を拡大させなければならなかったので、負債拡大にも名分はあります。

しかし、文在寅政権が本格的に負債を積み上げだしたのは、コロナ前からです。

それまで政府負債は対GDP比で40%未満に抑えようという暗黙の了解があったのに、「なぜそんな制限があるんだ」と企画財政部を一喝、これを突破させたのは、他ならぬ文在寅その人です。

要りもしない韓国型軽空母だ何やらと政府支出を膨らませたのを思い返してください。

で、韓国の政府負債は前朴槿恵(パク・クネ)政権時と比較して約400兆ウォン増え、ほとんど1,000兆ウォンまでいったのです。

で、当時の企画財政部は「2060年の国家負債は対GDP比81.1%」予測と述べたのです。

ところが、韓国には「国会予算政策処」という政府財政について監査する独立機関があって、ここの計算によれば「2060年の政府負債は158.7%に急増する」予測としていました。

国会予算政策処の「対GDP比158.7%」予測は、企画財政部の「対GDP比81.6%」のほとんど倍です。

これほど予測が違うなんてことがあり得るでしょうか?

政府支出を小さくするためのカラクリ

今になって指摘されているのは、政府負債を小さく見せるためにカラクリを使ったということです。

どんなカラクリが使われたのかというと、政府支出を小さく見積もったのです。政府支出が対GDP比で減ってくれれば、負債の増加を抑えて、結果「政府負債の対GDP比率」が大きくなるのを抑えることができます。

政府支出は、義務支出と裁量支出に分けることができます。の義務支出というのは、国債の利払いや年金支払いであるとか、政府が絶対に支払わなればならない支出です。

一方の裁量支出というのは、政府の企図するところによって増やしたり減らしたりできる部分です。

通常、高齢化対策や社会インフラの必要な整備などが増加してくるとの義務支出が増加していきます。

では、未来予測において、政府支出を減らしたいときにはどうすればいいかというと、の義務支出は減らせませんので、の裁量支出の割合(対GDPの割合)を低くすればいいのです。

このような意図に基づき、企画財政部はの裁量支出の割合を2060年には対GDP比で5.8%まで減るとして計算した――と指摘されています。

ちなみに、2023年現在は「13%」あります。

これが本当に2060年に「5.8%」水準まで下がるのか?です。

独立機関である「国会予算政策処」は、の裁量支出は2060年には対GDP比で12.4%はある、と予測して計算しました。

その結果、「国会予算政策処」の2060年の政府負債対GDP比は「158.7%」になる――と結論付けたのです。

ハッキリいえば、「国会予算政策処」の計算によれば、企画財政部の計算は「インチキ」であるという結果です。また、実は2020年の国政監査の段階で、韓国政府の負債はもはや雪だるま式に膨らんでいく――と予測されていたわけです。

朴槿恵政権のせいにする?

また、興味深いのは朴槿恵(パク・クネ)政権でも、の裁量支出の対GDP比を「2060年:10.9%」と計算しており、その結果として「2060年の政府負債の対GDP比は62.4%」と予測しました(2015年時点)。

ということは、文在寅政権下での企画財政部は、裁量支出の対GDP比率を「10.9%」からさらに「5.8%」にほぼ半減させて計算したことになるのです。

現在、監査院は前文在寅政権が「政府負債の対GDP比」を実際より楽観的に見通し、財政運用の指標として活用したという疑惑を調査しています。

今回の『国民の力』議員の指摘を受けて、前政権与党の『共に民主党』側は、呆れた主張をしています。

ハン・ビョンド議員(『共に民主党』所属)は、26日の国政監査の場において

「朴槿恵政府の見通しが(文在寅政府よりも先に)過度に楽観的だったのではないか」

「前の(文在寅政権での)洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官前副総理ではなく、(朴槿恵政権で企画財政部長官を務めた)チェ・ギョンファン元副総理を先に調査すべきだ」

と述べました。

文在寅政権よりも先に朴槿恵(パク・クネ)政権を調査しろ、というのです。そんなことをやっているうちに時間が過ぎて、韓国の政府負債はのっぴきならないことになりそうです。

韓国人はウソつきだが正直だ」という古田博司先生の至言は、このように政府財政についての議論でも通用するのです。

時の政権は保守寄りだろが、左派・進歩系だろうが、自分たちの都合のいいようにウソばかり述べます。しかし、チョンバレしたときには正直に「ど、どうしよう?」と慌てふためくのです。

「知らんがな」です。

(柏ケミカル@dcp)

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