2020年10月10日より、河北省に続いて、浙江省、深セン市においても多額の現金を移動する際には、銀行など金融機関への事前予約が必要になる管理システムが導入されます。
中国の金融当局はこれをパイロットプロジェクトとしており、2年間は続け、成果を見て他省でも実行する構えです。
資金移動の制限だけではなく、「口座凍結」が行われているという報告もあり、代金の支払いなどに窮する事業者も出ているとのこと。ひどいのは「口座凍結を解除するから口座にある資金の20%(30%もあり)を支払え」などという恐喝めいたことも行われている、という報告があります。
『大紀元時報』の2020年10月02日付けの記事では、本件についてアメリカ合衆国サウスカロライナ大学エイケン校の謝田教授のコメントを以下のように紹介しています。
(前略)
『クロニクル』紙のインタビューで、サウスカロライナ大学エイケンビジネススクールの謝田教授は、中国の銀行システムは資本と流動性の不足に苦しんでいると述べた。ここ数年、中国共産党は大量の金を刷っているが、その多くは不動産やインフラ事業、腐敗した役人に流れており、市場にはいまだに実質的な流動性が不足している。
その結果、当局は銀行の暴走を非常に心配している。
一方で、銀行幹部の詐欺、横領・逃亡、行員による預金流用などの不祥事が頻発しており、銀行に対する信頼を失い、暴走の可能性が高まっている。
ポジションを移転する資金が不足しているため、銀行の暴走は銀行の破綻につながる可能性がある。中国共産党は、多額の現金を管理することで、このような事件を防ごうとしているのだ。
(後略)⇒参照・引用元:『大紀元時報』「中共管控大額現金 分析:經濟極衰 防金融危機」(原文・中国語/筆者(バカ)意訳)
大量にお金を印刷しているのに、それがうまく流れていかない。お金は不動産やインフラ事業、腐敗した役人に流れ、なおかつ銀行で不祥事が頻発しているので流動性が梗塞しているというのです。
銀行システムへの不安から、例えば取り付け騒ぎ(bank run)などが起こって大量の資金流出が起こると銀行は破綻するところまで来ている。これを防ぐために口座資金の移動を制限し、凍結しているのだ――という説明です。
「中国は新型コロナウイルス騒動からもう回復している」なんていう人もいますが、その裏面でこのようなことが事態が進行しているのです。大丈夫なわけがないです。
(柏ケミカル@dcp)