韓国の「NoJapan(ノージャパン)運動」がどのくらい日本との貿易に影響を与えたのか推測してみました。
「ノージャパンが沈静化したら対日赤字が拡大する!」という叫び
韓国メディアに「NoJapn」が沈静化してきたので対日赤字が再び拡大の兆しがある、なんて記事が出ています。
2019年07月01日、日本政府は韓国に対して輸出管理強化を開始。これに反発した韓国では「日本製品の不買運動」が起こった――となっています。
確かに日本製ビールがほとんど売れなくなったり、ユニクロが数店舗締めることになったり……と韓国メディアを賑わせましたし、その記事で溜飲を下げたりしたのでしょうが、ノージャパン運動なるものはどのくらい効果があったのでしょうか。
対日赤字を減らす効果はどのくらいあった?
以下は先の記事で使ったものですが、再掲載します。韓国の対日輸出・輸入・収支のグラフです(2019年01月~2020年10月)。
「収支」、すなわち「輸出 – 輸入」のグレーのラインを見てください。グレーのラインの全ては「0」の下にありますね。つまり「対日輸出よりも対日輸入の方が多い」わけで、韓国の対日貿易はずーっと赤字なのです。
まず、「ノージャパン運動」は対日赤字を1カ月だけでも黒字化する効果すらなかった、と指摘できます。
「ノージャパン運動」の効果は「約5%」と推計
では、全く効果がなかったかというとそうではありません。
を2010~2018年の対日赤字と比較してみます。
2010年:295.6億ドル
2011年:209.9億ドル
2012年:167.8億ドル
2013年:201.9億ドル
2014年:192.5億ドル
2015年:208.3億ドル
2016年:229.8億ドル
2017年:282.2億ドル
2018年:224.2億ドル
平均赤字額:201.2億ドル
⇒参照・データ引用元:『日本国財務省』「輸出入額の推移(地域(国)別・主要商品別)」
9年間の対日赤字額の年平均が「201.2億ドル」ですので、2019年の「191.6億ドル」は「約9.7億ドル」赤字幅が小さく済んでいます。
つまり、2019年の「ノージャパン運動」の効果はざっくり約10億ドルあったと推計できます。対日赤字額の年平均額に対して約5%です。
これを大きいと見るか小さいと見るかは難しいところですが、韓国内でギャーギャー騒いだ割には効果は薄かった――という印象ではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)