韓国自動車の中国市場での衰退ぶりをご紹介します。
韓国メディア『中央日報(日本語版)』に、韓国の自動車メーカー『現代自動車』『起亜自動車』が中国で大赤字を出したという記事が出ました(元は『韓国経済』の記事)。
主旨としては、中国市場において韓国自動車メーカーのシェアは急減しており、2020年のコロナ禍のために大赤字になったというのです。
売上高:6兆8,729億ウォン(約6,529億円)
営業利益:-1兆1,520億ウォン(約-1,094億円)
売上高:3兆5,887億ウォン(約3,409億円)
営業利益:-6,499億ウォン(約-617億円)
確かに大赤字です。この赤字の理由を説明した箇所を引用します。以下のように書いています。
(前略)
現代車・起亜の中国での不振はTHAAD報復が本格化した2017年に始まった。中国国内で韓国製品不買運動が広がり、現代車と起亜の販売台数が急減した。昨年は新型コロナで打撃を受けた。
(後略)
では、中国の自動車販売台数は本当にコロナ禍で減ったのでしょうか? 以下をご覧ください。
2019年:2,576.90万台
2020年:2,531.1万台
※データは自動車産業ポータル『MARKLINES』より引用しました。
⇒引用元:『MARKLINES』「自動車販売台数速報 中国 2020年」ほか
確かに2020年は自動車販売台数が減っていますが45.8万台、わずか1.8%減っただけです。
以下の2016~2020年の中国における自動車販売台数と韓国系メーカーの出荷台数の推移を見てください。
ご覧のように、韓国系メーカーは右肩下がりで台数が落ちています。注意いただきたいのは韓国系メーカーの方は出荷台数です。しかし、『中央日報(日本語版)』の記事内では『現代自動車』『起亜自動車』の販売合計を「66万4,744台」となっていますので、上掲のグラフでほぼ合っています。
ですので、コロナ禍でも中国では自動車販売台数は1.8%しか落ちなかったのに、韓国系自動車はほぼ30%も売れなくなったのです。
一応、公正を期すために日本系メーカーの同期間の推移を見てみましょう。以下です。
韓国系メーカーの凋落ぶりと比較すると際立ちますが、日本系メーカーはコロナ禍をものともせず、4.1%出荷台数を向上させています。
もう何度だっていいますが、韓国の自動車産業はスマホと同じ道をたどっています。
中国市場に乗り込んだときは調子がいいのです。しかし、中国企業が技術をキャッチアップするにつれて市場で選ばれなくなり、シェアが激減します。
スマホと同じ道をたどるのであれば韓国系自動車はやがて中国市場から駆逐されるでしょう。これは決してコロナ禍のせいではありません。
日本系の自動車は売れているのですから。
(吉田ハンチング@dcp)