韓国は自称「製造強国」です。輸出1本で食べている韓国の、その輸出は製造業が支えています。韓国は、原材料、中間財、資本財を輸入して「完成品」(最終製品)を作り、輸出してお金を稼ぐという構造です。
しかし、いつまでも製造強国でいられるだろうか――という疑問があります。
2021年11月09日、韓国の統計庁が「2021年第3四半期の製造業国内供給動向」を公表したのですが、この中に興味深いデータがあります(以下はプレスリリースの一部)。
この統計は、韓国内に製造業の製品がどのくらい供給されたのかを調べたものですが、この供給には2通りあります。すなわち、①韓国内で製造され供給された製品、②海外で生産され韓国内に供給された製品です。
このデータの中に、海外からの輸入製品が「国内で売れた製品」のうち、どのくらい満たしているのか(どのくらい輸入品が占有しているのか)を調べたデータがあります。
この割合が低ければ低いほど、韓国内の製造業は輸入に頼らないで済んでいる、他国の製造業に比べて優位にある = すなわち「製造業強国」であると考えられるわけです。
結論からいえば、この数字が上昇しました。以下をご覧ください。
※データ引用元は同上
ご注目いただきたいのは一番下の行、「輸入品目の占有率」です。2021年第3四半期には、これが「30.2%」になっています。
つまり、国内製品需要の30.2%が輸入品によって占められたわけです。30%台に達したのは、2010年第1四半期に統計を取り始めてから初めてのことです。
つまり、それだけ輸入される製品が増えたわけで、製造強国にも陰りが見えてきたのでは?というわけです。
業種別に見ると、医薬品が10.2%も上昇し「43.5%」に達しています。これは例のワクチン騒動が効いたものと推測されます。
しかし、これなども自国でつくれないから輸入が増えたわけで、バイオシミラーに頼り、創薬は不得手という韓国製造業(製薬業)の弱点が露呈した、と見ることもできるのです。
中間財では「システム半導体」などが増加
と半導体関連輸入製品の増加が目立ち、こちらも韓国の半導体強国の内幕がどのようなものであるのか、を如実に示す興味深いデータが出ています。
この製造業弱体化傾向が一瞬のことなのか、それとも継続するのかは注視する必要があるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)