2023年03月07日、中国の外交部が日本に「このように振る舞え」という要求を突きつける声明を出しています。
秦剛外交部部長(外務大臣)が述べたものをまとめたものですが、以下がその全文です。
2023年3月7日、秦剛外相が2回にわたる記者会見を行い、次のように述べた。
「中国と日本が同じ船に乗り、新時代の中日関係を築くには、次の点を実現するべきだと思う。
まず、約束を守ることだ。
45年前、両国は日中平和友好条約を締結し、日中関係発展の原則と方向性を初めて法的な形で確認した。
この条約は、日中間の他の3つの政治文書とともに、日中関係の政治的基礎を形成しており、特に「相互パートナーシップと非脅威」という重要な政治的コンセンサスを厳格に遵守すべきであり、我々は言ったことを実行すべきである。
第二に、我々は歴史から学ぶべきである。
日本の軍国主義は中華民族に深い損害を与え、それは今日に至るまで苦痛を伴っている。
中国国民は忘れないし、日本側も忘れてはならない。
歴史を忘れることは裏切りであり、罪を否定することは犯罪を繰り返すことになる。
中国は常に日本に好意を持って接し、良き隣人関係を望んできた。
しかし、日本の一部の人々は隣人を仲間とせず、中国を乞食にしたり、封じ込めたりするための新たな冷戦に参加するようなことがあれば、両国はまだ癒やされていない古傷に新たな痛みを加えることになる。
第三に、秩序を維持することである。
今、日本の指導者の中にもいわゆる秩序を語る人がいるが、今日におけるこの秩序とは何かを分解して考えてみることにしよう。
今日の国際秩序は、ファシズムに対する世界大戦の勝利に基づいており、それは3,500万人の中国人兵士と民間人の命と血によって勝ち取られたものである。
戦後の国際秩序と国際正義に挑戦するすべての歴史修正主義は、中国人民には決して受け入れられない。覇権主義の否定を明確に規定した日中平和友好条約の精神は、現在、関連性を持っている。
第四に、相互利益とWin-Winの必要性である。
中国と日本は補完的な長所と相互のニーズを持っている。
我々は市場原理と自由と開放の精神を堅持し、協力を強化し、産業とサプライチェーンの安定と円滑な流れを維持し、世界経済の回復に勢いと活力を注入するために協力する必要がある」
また、秦剛は「日本政府は福島の原発汚染水(原文ママ:引用者注)を海に排出することを決定した。これは日本にとって私的な問題ではなく、海洋環境と人の健康に関わる重大な問題である。日本側が責任を持ってこの問題に対処することを強く求める」と述べた。
秦剛外相による大変ご立派なお説教です。
「覇権主義の否定を明確に規定したうんぬん」は困ったもので、現在中国が南シナ海で行っていることはなんなのでしょうか。国際法違反と判決を受けたにも関わらず、現状を変更しようという試みをやめてはいません。
これを覇権主義といわずしてなんというのでしょうか。
中国が周辺国に求めているのは、ただの朝貢です。
ご注目いただきたいのは「産業とサプライチェーンの安定と円滑な流れを維持し……」の部分です。アメリカ合衆国の対中国半導体規制が相当に効いていると推測できます。
有名な占術師の四行詩をもじって、「逃げよ逃げよ、すべての中国から逃げ出せ」です。
(吉田ハンチング@dcp)