基軸通貨(キーカレンシー)であるアメリカ合衆国の「ドル」。Money1でも折に触れドルの強弱についてご紹介してきましたが、ドルの強弱は世界の経済状況を大きく変化させます。自国通貨が弱い国は、時に非常に強まったドルによって通貨危機となったりします。
そのような国では「ドル化」(dollarization)が見られるようになります。
ドル化とは、その国内で「自国通貨と共にドルなどの外国通貨が利用される現象」のことです。併用される外国通貨はほとんど「ドル」ですが、「ユーロ」「豪ドル」などの場合もあります。
土田陽介先生の説明を以下に引いておきます。
ドル化とは、自国通貨と共に米ドルなどの外国通貨を利用する経済現象である。それが各国の政策当局の意図に基づいて自発的に導入されたものなのか、それとも自国通貨の信認が失われる過程で生じたものなのかで、その意味合いは大きく変わってくる。
⇒引用元:土田陽介『ドル化とは何か ――日本で米ドルが使われる日』(ちくま新書,2019年10月10日 第一刷発行)p.18
「カレンシーボード制」とは?
「カレンシーボード(currency board)制」とは、国の為替政策の一つと説明されます。具体的には、通貨発行当局が外貨(ほとんどはアメリカ合衆国のドル)を保有し、その信用を基に自国通貨を発行するのです。言い換えると、自国の保有する外貨...
(柏ケミカル@dcp)
「フラジャイル・ファイブ」とは? 脆弱な通貨を指します
「フラジャイル・ファイブ(fragile five)」という言葉をご存じでしょうか。英単語の「fragile」は「はかない」「もろい」「虚弱な」という意味ですね。フラジャイル・ファイブは2013年にモルガン・スタンレーが定義した「脆弱な5つ...
元は国際通貨になれません! ……かもよ
先に「中国の『元』は『国際通貨』を目指していますけども」という記事で、中国の元が国際通貨としての地位を確立すべく、国際通貨基金(IMF)のSDRバスケットに採用されてしまいました(チェッ)、という件をご紹介しました。これは画期的なことでした...