香港の終末。財政赤字「1,016億香港ドル」中国共産党に支配され「人とお金」が消えていく

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香港経済はもはや「いいとこ」なし

2024年02月28日、香港の陳茂波(Paul Chan Mo-po)財務長官は、2023/2024年度の財政収支が「-1,016香港ドル」になると公表。

次期2024/25年度は「-481億香港ドル」になると予測されています。 これは国債発行によって1,200億香港ドルを調達するとした結果の予測です。

香港は年度の区分が03月から翌年04月までです。そのため、香港の予算などをいうときは「2023/2024年度」(2023年03月~2024年04月)といった呼称になります。

香港は非常な苦境に陥っています。輸出が減少して不動産市場も低迷。その上、株価も下がっているからです。具体的な数字にすれば、

商品輸出:-10.3%
香港ハンセン指数:-13.8%
不動産価格:-7%
不動産取引件数:-5%

となり、全くいいところがありません(2023年の対前年比増減)。

加えて、中国の皆さんが急激にビンボになったので本土からの観光客が減少しています。また香港に行く日本人も激減(2023年11月の報道では「89%の減少」)。円安の影響が大といわれますが、中国共産党の都合で捕まるような場所に行く物好きはいません。

香港は、中国共産党が支配するようになり確実に没落していっているのです。香港は、中国本土に流入する資金の窓口ですから、香港が没落することは、中国への資金流入がはかどらなくなることを意味します。

香港首位から転落!「中国の手に落ちた香港に経済的自由はない」
大変な椿事、というか「むべなるかな」というデータが出ました。2023年09月21日、カナダの『FRASER INSTITUTE』(フレイザー研究所)がおなじみの「Economic Freedom of the World(世界の経済自由度)...

上掲記事でもご紹介しましたが、毎度おなじみの『フレイザー研究所』も、「香港の(経済的自由度は)これからも低下するだろう」と予測しています。

香港から人とお金が消えていく!

経済学者の羅家聰(罗家聪)博士は、本質を突いた意見を開陳されています。

「香港の構造的な問題とは、人口が減少し、特に中流階級から多くの人々が流出、彼らは皆お金を持ち去り外国からの投資も流出し、これら全てが香港の税収の不均衡を引き起こしている――ということです。

歳入と歳出は人口と景気に直結しており、人口と景気が共に減少し、歳入と歳出が黒字から赤字に転じていることを知りながら、長期的な対策を考えないのであれば、この“財布の主”は非常に無責任である。

世論作りのために金をばらまき、将来に禍根を残すだけだ。

共産党は、香港のお金は共産党のものだと思っているから、彼を逃がさないと思う。無差別にお金を使えば、将来どうやって後始末をすればいいのでしょう?」

「負債がどんどん大きくなれば、格付け会社は香港の格付けをマイナス、あるいは格下げにするでしょう。

香港にはまだ埋蔵金があるため、3年、5年後の問題ではない。

しかし、準備金が底をつき、純債務となった場合、外貨準備を取り崩さなければならなくなるかもしれない」

香港の直近の合計特殊出生率は0.8(統計によって幅があります:これは『UNFPA』(国連人口基金)のデータ)。


↑『UNFPA』のデータでは、香港の合計特殊出生率は「0.8」。

0.8なら韓国を上回りますが、実は香港特別行政区の統計データによると「2022年:0.701」となっています。


↑香港の政府統計処が公表しているデータ。2022年の合計特殊出生率は701です。これは1,000人当たりの数字ですから、1人当たり「0.701」にしかなりません。香港は国ではありませんが、このデータの方が正しいのであれば、韓国を抜いて世界最悪です。

香港も韓国と同じく消滅する運命にあるのです(もっとも消滅しそうになったら中国本土からの移住を増加させるかもしれません)。

この人口減少に加えて、香港の皆さんは中国共産党に汚染されていくばかりの香港から、お金を持って逃げ出そうとします。この2つが香港の没落を早めるのです。

羅家聰(罗家聪)博士によれば、まだ利用価値(お金)があるので、香港はなんとか息をしています。しかしながら、外貨準備を取り崩して枯渇する未来が来れば、本当に香港には何もなくなるでしょう。

香港の没落は返還されたときに決まっていた

香港がイギリスから中国に返還されて間もない頃。アメリカ合衆国に取材に行った際に、香港から逃げ出してきたというシェフにサンフランシスコでお会いしたことがあります。

その際、どうして香港を脱出したのですか?と聞いたら、そんなことは聞くまでもないだろうという顔で「中国共産党が支配することになるから」「ひどい目に遭いたくないから」とおっしゃっていました。

あの、野放図なほどの経済的自由を謳歌できた香港は「本当のおしまい」に向かっています。しかし、この終末は、中国に返還されたときに決まっていたのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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