2024年07月02日、韓国の産業通商資源部が「K-造船の100大超格差技術の確保」についてのプレスリリースを出しました。
韓国政府は造船業を諦めない「総力戦だ」
この前段として、2024年06月18日、すでに斜陽産業である造船について、韓国政府は諦めておらず、中国に受注戦争で勝つべく、金融機関に「リスクを背負う」という契約をさせた――という件あります。
以下の記事でご紹介しましたが、12の金融機関が15兆ウォン分のRGを切ることになってしまったのです。
「K-造船の総力戦」と自画自賛していますが、安値叩き合いの競争において中国には絶対に勝てません。戦力を集中するポイントが間違っているとしか評せません。
それはともかく、このとき=2024年06月18日には、産業通商資源部の安徳根(アン・ドックン)長官は、
「受注・建造・輸出の全工程にわたって官民がワンチームで総力を支援する一方、後発競争国の追撃を食い止めるための『K-造船超格差技術ロードマップ』を07月中に策定する」
と述べました。
名指しこそしていないものの、「後発競争国」というのは明らかに中国のことです。
後発競争国と中国を貶めたような表現ですが、中国はもはや韓国の後塵を拝するような存在ではありません。事実、韓国の大手造船企業は下請けに中国企業を使うようになっています。中国は「後発」かもしれませんが、真正面の競争国です。
問題は安徳根(アン・ドックン)長官が述べた「K-造船超格差技術ロードマップ」です。韓国には造船における「超格差技術」なんてものがあるとは思えないからです。
「韓国が保有する超格差技術」なるものがどのようなものか……非常に気になるところだったのですが――2024年07月02日に出たプレスリリースはがっかりな内容でした。
以下をご覧ください。
K-造船100大超格差技術確保に官民が手を取り合う
-①環境、②デジタル、③スマート3大分野の技術青写真、「K-造船超格差ビジョン2040」発表
-K-造船の未来10大先導フラッグシッププロジェクトに官民合同2兆ウォン投資
-『ハンファオーシャン』巨済造船所を訪問、産業現場の安全管理を点検産業通商資源部(長官安徳根(アン・ドックン)、以下産業部)は、康京成(キョン・ギョンソン)第1次官が出席した中、環境にやさしい船舶資機材メーカー(パナシア)で「第2回 K-造船技術アライアンス(Tech-Alliance※)」を開催し、造船産業の中長期的な技術開発の青写真を盛り込んだ「K-造船超格差ビジョン2040」を発表した。
※Tech-Alliance:
造船分野の産学研の専門家で構成された未来造船技術開発議論機構(2023年12月発足) 韓国の造船産業は世界最高水準の製造能力を持っているが、船舶エンジン・貨物倉など一部の核心技術が不足している。資機材の海外依存度が高いことなどが弱点と指摘されてきた。産業部は業界の専門家と共に、韓国造船産業の再跳躍のため、将来の超格差技術に遅れを取らないようにしなければならないという認識を共有し、過去6カ月間、造船3社の最高技術責任者(CTO)など産学研の専門家100人余りと協業し、2040年までの官民合同造船産業技術開発ロードマップを策定した。
(後略)
要は、造船産業で世界的な国家であるために、これから超格差技術をつくりましょう――という話です。これかから官民で2兆ウォンを投じます、とのこと。
「今からつくるのかよ!」というツッコミは当然です。
「10年間で最低2兆ウォン(約2,333.5億円/2024年07月07日のレートで換算)」となっていますので、1年当たり日本円でざっくり「約233億円」です。安いとしかいえません。
ご注目いただきたいのは、上掲の「船舶エンジン・貨物倉など一部の核心技術が不足している」という記述です。エンジンと貨物倉の核心技術が(一部にしろ)ない――のにどんな船を造るつもりなんだ――です。
だからこそ、「これから核心技術を開発します」なのでしょうが、20年かけてもLNG運搬船がポンコツなままだった韓国には期待などできません。そもそも基礎技術の積み上げを怠って日本などからの剽窃に邁進してきた国なので、非常に望み薄です。
「K-造船」には超格差技術が必要だ
また、「K-造船超格差ビジョン2040の主な内容」というのが、また大変に面白い内容です。
以下のように書いています。
産業通商資源部は、「2040年世界最高の造船技術強国」というビジョンの下、 「船舶建造強国」を超えた「造船海洋エンジニアリングおよび資機材強国」への飛躍と、「人的労働を基盤とした船舶建造システム」から「自動化基盤の船舶建造システム」への革新という目標を設定し、エコ・デジタル・スマート3大分野で、韓国造船産業が確保すべき100大コア技術※(351個の詳細技術)を選定した。
※100大コア技術:
水素エンジン、風力補助推進、仮想訓練、無人安全運航システムなどである。一方、100大コア技術の現行レベルは、EU・アメリカ合衆国など主要先導国と比較して約1.7年の技術格差が存在すると評価され、このような技術レベルと重要度などを基に3大分野の技術別詳細確保計画を導き出した。※分野別の技術格差:
(環境にやさしいエコ技術)EU比2.2年の遅れ
(デジタル技術)合衆国比1.2年の遅れ
(スマート技術)EU比1.6年の遅れ(エコ技術)
2040年、炭素排出ゼロの船舶技術ポートフォリオの完成を目指す。水素・アンモニアなどの環境にやさしい燃料推進技術及び環境にやさしい革新資機材と原油・ガスなどの伝統的な海洋プラントを超え、水素・アンモニアなどの未来燃料生産プラント技術などを開発する。
また、LNG船以後の韓国産業の未来を担う液化水素運搬船の貨物倉、大型電気推進船などの源泉技術の確保と海上実証など、商用化にも力を集中する計画だ。
(後略)
選定するのは勝手ですが、「100大コア技術」を選びこれを発展させて2040年には「世界最高の造船技術強国」になるそうです。この年号は記憶しておきましょう。どうせできません。
たかだか2兆ウォンでこれを達成するというのですから、非常に野心的なプロジェクトだといえるでしょう。
日本企業は決して韓国企業を助けてはいけません!
――で、この100大コア技術について、韓国の現行レベルは主要国から約1.7年遅れているのだそうです。このに見積もりもまた甘いものだといえます。水素・アンモニア関連技術についての言及はまさに噴飯モノです。
韓国には、水素・アンモニアについての基礎技術などありません。
以前にもご紹介したことがありますが、世界でトップを走っているのは、日本・合衆国・ドイツです。中でも日本は基礎的な技術の積み上げ、取り組んできた企業の厚みにおいて間違いなく世界のトップランナーです。
アンポンタンの岸田政権が「韓国との技術協力(交流)」を決めてしまいましたが、韓国は剽窃する気満々だといえます。
日本企業の皆さんは、岸田政権、経産省が売国奴のごとく圧力を掛けてきても、決して技術を渡してはいけません。パクったくせに韓国オリジナルなどと言い出します。しかも他所様に恵んでもらったくせに感謝もしません。
世界最悪の反日国家および企業にはびた一文、いかなる技術をも渡してはなりません。
(吉田ハンチング@dcp)