中国では干ばつ・水害・高温という非常に厳しい気象状況に置かれています。毎日のように大雨・洪水が発生し、一方で高温という状況があるのです。
「国が広い」といえば、それまでなのですが、しかし2024年の状況は悪いです。
中国共産党の治水事業などインフラ整備がなってないんじゃないのか――という非難もあるので、さすがに当局も黙っていられなかったのかもしれません。
「100年に一度って何回言うねん!」などのツッコミもありますので、「いかに異常気象なのか」を説明するかのような記者会見が行われました。
2024年08月01日、中国気象局が科学技術棟で記者会見を開催。
興味深いところを以下に引いてみます。
まずは07月の全国の天気と気候の特徴をご紹介します。
07月は温暖多湿の傾向が顕著で、極端な大雨と高温が共存しました。
全国の平均気温は23.2℃で、平年より1.1℃高く、1961年以降で同時期としては最高値を記録しました。
全国の平均降水量は140.0ミリで、平年より15%多く、1961年以降で同時期としては3番目に多い降水量となりました。
1996年07月は148.0ミリ
1998年70月は146.8ミリです。
遼河、淮河、黄河、海河、長江、松花江流域の降水量はいずれも平年より多く、特に淮河と遼河流域の降水量は平年の2倍以上となりました。
黄淮地方などでは07月中旬に急激な乾旱から洪水への転換が発生しました。
7月の主な気象・気候イベントは以下のとおりです。
暴雨の頻発、南北に広がる大きな影響、極端な性質
07月の山東省(402.7ミリ)と吉林省(291.8ミリ)の降水量は1961年以降で同期として最多となり、河南省(368.0ミリ)と遼寧省(337.2ミリ)は次いで多い降水量を記録しました。
月内には8回の広域的な暴雨が発生し、33の国家級気象観測所で1日の降水量が歴史的な最高値を更新しました。
例えば、河南省社旗(384.7ミリ)、湖南省衡山(334.7ミリ)、山東省平邑(306.9ミリ)では日降水量が300ミリを超えました。
華北の雨季は07月22日に始まり、平年(7月18日)より4日遅れ、07月30日には北京が入梅以来最強の降雨を経験しました。
2つの台風が相次いで上陸、台風「ケーミー」は広範な影響
今年第3号台風「ケーミー」は、今年初の超強力な台風で、07月25日に台湾宜蘭と福建省莆田に相次いで上陸しました。
移動速度が遅く、江西省内で25時間も停滞しました。
累計降水量は非常に多く、07月24日から28日にかけて福建省、広東省、湖南省、浙江省などの省で40の国家観測所で累計降水量が250ミリを超え、9つの観測所で1日当たりの降水量が歴史的な最高値を更新しました。
強風は長時間続き、浙江省東南部沿岸や福建省中部沿岸などで4日間も続きました。
(後略)⇒参照・引用元:『中国網』公式サイト「中国气象局2024年8月新闻发布会」
うんざりするほどの降水があったことが分かります。
次に温度などです。
南方は広範囲にわたる継続的な高温に見舞われました。
多くの地域で連続高温日数が20日を超え、59の国家級気象観測所で1日の最高気温が歴史的な記録を更新または同じ記録となりました。
その中で湖南省慈利(41.6℃)、湖北省通山(41.5℃)、浙江省麗水(41.5℃)などでは41℃以上の高温が観測され、07月22日から23日にかけて35℃以上の高温に覆われた面積はどちらも200万平方キロメートルを超えました。
強い対流性の気象現象が極端な特徴を示しました。
07月には累計6回の強い対流現象が発生しました。
月初には、河南省と山東省で局地的に8~11クラスの雷暴風が連続して発生し、局地での最大風速は46.7m/s(河南省鶴壁市)に達しました。
07月5日には、強力な竜巻が山東省菏沢市を襲い、人的および財産的に大きな被害をもたらしました。
07月には全国で計6.72万件の警報情報が発表され、そのうち気象災害警報情報が6.37万件を占めました。
強い対流、大霧、暴雨、高温、地質災害の気象リスクなどの警報情報は前年比で増加し、強い対流、暴雨、地質災害の気象リスク警報情報は2017年から2023年の間で同期の発表量としては最高となりました。
全国で合計2,492件の赤色警報情報が発表され、そのうち暴雨の赤色警報情報は全体の66.6%を占め、近年(2017-2023年)の同期平均値と比べて84%増加しました。
⇒参照・引用元:『中国網』公式サイト「中国气象局2024年8月新闻发布会」
多くの地域で「連続高温日数が20日を超える」ほど暑く、59の観測所で1日の最高気温が過去最高を更新。大雨が記録的な上に高温でも痛めつけられたのです。
全国で気象関連のレッドアラートが発せられ、その警報の発令回数は直近年の平均回数より84%も増加、過去最高――とのこと。
いかに中国が無茶苦茶な気象状況に置かれているのかが分かります。
(吉田ハンチング@dcp)