ドイツ『フォルクスワーゲン』窮地 ⇒ 10万人リストラと工場閉鎖で労使対決。

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読者の皆さまもすでにご存じでしょうが、中国市場で左前になったドイツの自動車産業が非常な窮地に追い込まれています。

2026年07月09日、『フォルクスワーゲン』グループの監査役会は会議を開き、全世界の従業員65万7,000人のうち約10万人を削減する案について協議しました。

『フォルクスワーゲン』はこれに先立ち、2024年にドイツ国内で3万5,000人分の雇用を削減することで労働組合と合意。その後、人員削減目標を5万人へ引き上げていました。

しかし今回は、さらに2倍に増やす案を検討しているのです。

実際に10万人削減が実現した場合、1991年に合衆国の『GN(ゼネラルモーターズ)』が実施した「7万4,000人」を上回り、自動車業界史上最大規模のリストラです。

工場の閉鎖・移転も進める予定です。ドイツメディアが報じるところによれば、ドイツのツヴィッカウ工場、エムデン工場、ハノーファー工場、およびネッカーズルムのアウディ工場での生産を「2034年までに順次終了する」案を検討している――とのこと。

労働組合は『フォルクスワーゲン』のリストラプランへの抗議活動を強めています。

抗議デモでは「IG Metall(IGメタル)」という赤い旗が目立ちます。これはIndustriegewerkschaft Metall(ドイツ金属産業労働組合)の組合旗です。

IGメタルは世界最大級の産業別労働組合で、組合員は約200万人に上ります。

名前は「Metal(金属)」ですが、現在では金属産業だけでなく、自動車、機械、電機・電子、鉄鋼、航空宇宙、IT関連の一部まで幅広く組織しています。

『フォルクスワーゲン』、『BMW』、『メルセデス・ベンツ』、『アウディ』、『ポルシェ』など、ドイツ主要メーカーの工場労働者の多くが加盟しています。

そのため、『フォルクスワーゲン』でストライキや抗議集会があると、赤いIGメタルの旗が林立するわけです。

また、ドイツではIGメタルの影響力は非常に大きく、労使交渉・賃金協約・労働時間・工場閉鎖・雇用維持に強い発言力を持つ組織です。

さらに、『フォルクスワーゲン』では監査役会(Aufsichtsrat)に労働者代表が参加するMitbestimmung(共同決定制度)があるため、IGメタルは街頭でデモを行うだけでなく、会社の意思決定そのものにも直接影響を及ぼすことが可能です。

ニーダーザクセン州政府はフォルクスワーゲン株の約20%を保有し、重要事項に対する拒否権に近い影響力を持っています。

要するに――今回のリストラ計画は経営上の必要があるとはいえ、プランどおり実行するのが非常に難しい――のです。

実際、2026年07月09日、IGメタルはドイツ各地のフォルクスワーゲン事業所で一斉に抗議行動を実施。最大10万人削減案に対して「大規模な労使紛争も辞さない」と警告しています。

さて、このドイツ自動車産業の急転落がどのような結末を迎えるのか――要注目です。

(吉田ハンチング@dcp)

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