韓国が経済的な危機に瀕しており、政府・企業・家計三拍子そろって大幅な借金増となっています。
問題になるのは「この借金が返せるのか」です。利子だけ支払ってロールオーバー(借り換え)ができればいいのですが、そのうち利子も返せなくなってドボン、なんてことになると――貸した銀行が大変なことになります。
そこで注目されるのが「不良債権」の程度です。
不良債権とは、「約定どおりの元本や利息の支払いが受けられなくなるなど、その経済価値が低下した貸出債権」です(『日本銀行』の説明による)。
⇒参照・引用元:『日本銀行』公式サイト「不良債権とは何ですか?」
簡単にいえば「返済される可能性の低い貸し出し金」です。
韓国の銀行の不良債権の量はどのくらいかといいますと……2020年06月02日、『亜州経済』の韓国語版にちょうどいい記事が出ました。
同記事から引用します。
今年第1四半期の国内銀行の不良債権が昨年末比3.5%増加し、16兆ウォンに迫った。新規発生の不良債権のうち、企業の融資が大部分を占めていることが分かった。
金融監督院は2日、「2020年第1四半期末の国内銀行の不良債権比率」を発表し、上のように明らかにした。今年第1四半期末の国内銀行の不良債権は15兆9,000億ウォンで、前年末比6,000億ウォン(3.5%)増加した。
全体の融資のうち、企業の融資が13兆7,000億ウォンで、全体の不良債権のほとんど(86.2%)を占めた。家計は2兆ウォン、クレジットカード債権2,000億ウォンの順だった。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
上掲は03月までの第1四半期の結果ですが、すでに第2四半期が2カ月終わっています。
先にご紹介したとおり、この新型コロナウイルス騒動で企業も家計も銀行からの借金を増やしています。さらに不良債権は増加することは必至で、韓国の銀行には非常な負担となるでしょう。
貸し倒れ引当金を余分に積んでおくとかしておけばいいのですが、先日ご紹介したとおり「やってない」わけです。流動性確保(お金を回さないといけないので「たくさん貸し出せ!」)のためにLCR(Liquidity Coverage Ratio:流動性カバレッジ比率)※1を緩めるなどの措置をとっていますし、韓国の銀行の健全性は大丈夫でしょうか。
※1「流動性カバレッジ比率」については以下の記事を参照いただければ幸いです。
(柏ケミカル@dcp)