よく耳にする「ハードカレンシー」とは何か?

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「日本円はハードカレンシーなので・・・・・・」といったフレーズをニュースなどで聞いたことはありませんか? ハードカレンシーとはいったい何かご存じでしょうか?

ハードカレンシーとは「国際決済通貨」です!

ハードカレンシーとは国際決済通貨とも呼ばれるもので、国際的に信頼があり他国の通貨との交換が容易に可能である通貨を指します。つまり、その通貨は普遍的な価値を有すると諸外国から認められているということです。

ハードカレンシーは、貿易などで国をまたがって多額の通貨を取引で使用する場合に即座に決済できるという利便性があります。ハードカレンシー以外では、高額の取引をする際に決済まで長い時間が必要で、時には数カ月かかってしまうこともあり、取引をスムーズに行うことができないのです。

このため国際間の決済に利用できる通貨、これを「国際決済通貨」と呼びます。

何が「ハード」なの!?

そういった「国際決済通貨」は、なぜ英語では「ハード」(硬い)「カレンシー」(通貨)という名前で呼ばれているのでしょうか?

これには通貨の歴史が関係しています。現在のように国際経済が複雑化する以前は、各国の通貨の価値の根源として貴金属である金(gold)が用いられていました。

例えば、「1万円の価値は金何グラム分である」というふうに決められており、他国通貨との交換も、「金」への交換可能な価値を基準に決定していたのです。

その金本位制も、資本主義経済が発展し、世界中の通貨の流通量が増大することにより、「金」の産出量と新規発行される通貨の量との釣り合いが保てなくなり、1937年を最後に廃止されました。

第二次大戦後は、金保有量が世界一のドルに他通貨が固定相場制を結ぶことで(例えば日本の場合には1ドル = 360円など)、間接的な「金本位制」となっていたのですが、そのアメリカが1971年に「金とドルの兌換(だかん)をやーめた!」としました。

いわゆるニクソンショックですが、これ以降、ドルも含めて「金本位制」は終焉に向かいます。そして1978年に先進国の通貨について金本位制が完全に終わりました。

そのような歴史を背景にして、現在でも「金」に近い普遍的な価値を有すると認められる通貨に対して、いつでも「金」、つまりハード(硬い)な金属と交換可能な通貨であるという意味合いを込めて「ハードカレンシー」と呼ばれているのです。

ハードカレンシーであるための主要な条件

ちなみに「ハードカレンシー」の条件としては以下のような条件があるとされます。

・その通貨の発行国が、他国が求める財(資源や食料、工業製品、サービスなど)を生み出す力があること。
・為替市場で取引が可能な通貨であること。
・その通貨および、その通貨の発行国が国際的に高い信用を得ていること。

ハードカレンシーに該当する通貨

一般的には以下の通貨が「ハードカレンシー」と呼ばれています(ただし、明確な基準があるわけではないので、あくまで一般的に呼ばれているということです)。

・ドル(アメリカ)
・ユーロ(EU)
・円(日本)
・ポンド(イギリス)
・スイスフラン(スイス)

耳慣れない用語であるかもしれませんが、「ハードカレンシー」の概要を知っておくのも大事です。

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