韓国が「独自開発」とし、2021年中に初飛行を目指している次期戦闘機「KF-21 ポラメ」ですが、先行きに暗雲かもしれません。
資金を出して共同開発※を行う予定のインドネシアがフランス製の「ラファール」36機購入することを決めた、という報道が出ました。
↑インドネシア国防省が仏『ダッソー』と戦闘機調達の最初の契約を交わしたことを報じるインドネシア『AIRSPACE REVIEW』紙の記事
上掲がその記事ですが2021年06月10日付けです。
インドネシアが「ラファール」を購入するという話はフランス紙『La Tribune(ラ・トリンビューン)』の記事が明らかにしました。プラボゥ(Prabowo)国防相が「ラファール」48機を購入する意向を表明したとも(2020年12月)。
プラボゥ国防相は、先日韓国で行われた「KF-21 ポラメ」試作1号機お披露目の記念式典にも出席していました(上掲の写真:最前列の右端の人物)。
韓国「国防部」の反応は?
韓国の「KF-21 ポラメ」の方はどうするんだという話ですが、本件についてさっそく韓国メディア『中央日報』が記事していますので、一部を以下に引用します。
KF-21の開発を主管する防衛事業庁は「ラファール戦闘機を購入してもKF-21の開発に影響はない」は、従来の立場を改めて強調した。
防衛事業庁は02月「ラファール戦闘機の導入は、インドネシア空軍戦力の空白を補強する事業でKF-21の共同開発とは別の事案と判断している」とし「2024年までに必要な戦力を確保する事業と2026年以降に導入するKF-21とは比較対象ではない」という立場を明らかにした。
(後略)
だそうですが、
防衛事業庁は14日、「現地報道を確認するには時間が必要だ」と言いながらも「インドネシア政府からの『ラファール』戦闘機の導入決定に伴う『KF-21』の開発と関連した通知や協議はなかった」と述べた。
(後略)
とのこと。まだ本当にインドネシア国防相がダッソーと本当に契約したのか、2021年06月14日の段階では裏が取れていないようです。
「KF-21 ポラメ」を戦力化できるのは先のことになりそうですから(なにせまだ飛んでない)、インドネシア空軍も待ってはいられないというところでしょう。
ちなみにフランス製「ラファール」は第4.5世代戦闘機として位置付けられており、世界各国で導入が決まる人気ものになりました。
エジプト:54機
カタール:36機
ギリシャ:18機
クロアチア:12機
※中古機含む
『AIRSPACE REVIEW』紙によれば、インドネシアが前払い金を支払えば、契約は執行されるとのこと。インドネシアも国防費が潤沢ではないので、韓国に支払うのを停止している開発分担金を納入するのがますます遠のくのではないでしょうか。
※インドネシアは開発費の約20%、1兆7,338億ウォン(約1,647億円)を負担する予定。手付金を含めて2,272億ウォン(約216億円)だけ納付済。完成した暁には48機をインドネシアに納品する予定でした(韓国は120機)。
⇒参照・引用元:『AIRSPACE REVIEW』「朗報!国防省とダッソーが最初の36機のラファール契約に署名しました」
(吉田ハンチング@dcp)