韓国政府与党「補正予算」35兆ウォンを主張。下半期に何かあったらどうするのか

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韓国政府が第2次補正予算を組んで「第5次災害支援金」の給付を行おうとしています。財源は予算よりも多くなった税収を全てつぎ込む勢いになっています。見込まれる税収増は32~35兆ウォン(約3.1~3.4兆円)です。

洪長官が政治的目的のために押し切られる

洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は赤字国債を発行しなくてもいい「20兆ウォン」(約2.0兆円)と主張していたのですが、どうも政府与党『共に民主党』の議論に押されたようです。

先にご紹介したとおり、税収増があった場合には負債の返済を優先しようという準則があるのですが、そのようなことはもはや政府与党の眼中にないようです。

次期大統領選を見越してばらまきを行うつもりで、この第5次災害支援金は政治的な意図が濃厚になっています。

政府財政は確かにましになってきたが……

以下は韓国の企画財政部が06月07日に出した「06月の財政動向」にある、2021年04月までの韓国政府の財政状況です。

2021年04月
収入:65.5兆ウォン
支出:51.8兆ウォン
収支:13.8兆ウォン

で、04月は単月黒字になりました。

ただし、2021年01~04月の累積では管理財政収支(単に収入から支出を引いたもの/国民年金などの社会保障基金の収支を含まない)は「-16.3兆ウォン」(約-1.6兆円)で赤字です。

それでも予算からすると非常にましになっており、前記の「税収が予測よりも32~35兆ウォン多いので……」というのはこれが背景にあります。

しかし、あくまでも現時点でのことで、洪長官が「20兆ウォンにしておこうよ」というのは故なきことではないのです。下半期に何か予想外のことが起こると、「もうまいちゃったからお金ないよ」という事態になりかねません。

現在の韓国政府は、野党から「バラマキで人心を買うことを優先している」などと批判されることがありますが、それはこのような点にも現れているといえます。

あと1点。洪長官は決して悪い人ではないでしょう。文在寅大統領が何も言わないぶん矢面に立たされて、ある意味お気の毒でもあります。

(吉田ハンチング@dcp)

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