2021年11月11日、『韓国銀行』から「09月の通貨流動性」のデータが公表されました。当月はなかなか興味深い結果です。以下をご覧ください。
ついに「M2」※が「3,500兆ウォン」(約336兆円)を突破。以下のとおりM2は拡大を続けてきました。
09月の「3,512兆2,111億ウォン」(約337.17兆円)はもちろん韓国史上最大のお金じゃぶじゃぶ状態なのですが、しかし、以下をご覧ください。
その月にいくらM2が増加したかのグラフです。
2021年には2020年よりも月次のM2拡大金額は大きかったのですが、当月に急ブレーキがかかりました。09月は対前月で「18兆ウォン」しか増えていません。
何があったのでしょうか?
08月26日、『韓国銀行』は基準金利の引き上げを行いました。インフレに対抗するための先制的な利上げでしたが、要は市中にあるお金の量を絞って相対的にお金の価値を上げる――ことを狙ったものです。また、韓国の通貨当局は家計への貸し出しを絞るように金融機関への圧力を掛けだしました。これもお金の量を絞る(家計負債を減らす)効果があります。
M2拡大に急ブレーキがかかったのは、『韓国銀行』と金融当局の努力が奏功したといえるかもれません。
問題は、その一方で政府が「個人事業主への損失補てんでお金をまくぞー」という動きをし、その支給が10月27日から申し込みができるようになりました。『韓国銀行』および金融当局がお金を絞る方向で動いているのに、政府はお金をまくのです。
やっていることがバラバラなわけですが、果たして10月にM2がどのようになるのか、ご期待ください。
※「M2」は簡単に言えば市中にどれくらいあるのかを示す指標です。
M2=現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(預金通貨、準通貨、CDの発行者は、国内銀行等<マネーサプライ統計のM2+CD対象預金取扱機関と一致>)
⇒参照・引用元:『日本銀行』「マネーストック統計のFAQ」
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/faqms.htm/
(吉田ハンチング@dcp)