韓国『LG化学』からバッテリー事業だけを切り出して作った完全子会社『LGエネルギーソリューション』がいよいよIPO(新規株式公開)をかけることになりました。
ここまでくるのにかなり時間がかかりました。
子会社化して分離した時点からIPOを念頭に置いていたのですが、例の『現代自動車』の電気自動車「コナ・エレクトリック」の火事・リコール問題でIPOが延び延びになっていたのです。
そもそも発火の原因は『LG化学』、『LGエネルギーソリューション』の納品した電池セルに製造不良があったためとされたので、カタがつくまではとても株式を上場できるような状況ではありませんでした。また、アメリカ合衆国『GM』、韓国『現代自動車』からリコール費用を請求されて業績が悪化しました。
しかし、先にご紹介したとおり、リコールが終わったはずの「コナ・エレクトリック」が2022年01月12日に火事を起こしました。この火元が「電池セルではないようだぞ」となって、『LGエネルギーソリューション』製バッテリーへの疑念はいったん再検証フェーズを迎えています。
このようなすったもんだを経て、『LGエネルギーソリューション』はようやくIPOをかけることになりました。
今回のIPOの主幹『KB証券』によれば2022年01月18~19日の一般公募期間で証拠金は「114兆1,066億ウォン」(約11.0兆円)が集まりました。競争倍率は「69.34:1」なので約70倍です。
集めた証拠金の金額は韓国株式市場で過去最大です。
公募価格で買って、上場したらスグに高値で売って逃げる――というのが、IPO株式でもうける戦術。さて上場初日はいかなるチャートになるでしょうか。
ちなみに、証拠金を80兆9,017億ウォン※(約7.8兆円)も集め、鳴り物入りで2021年05月11日に上場した『SKIET』の株価は上場3日後(2021年05月14日)まで以下のように推移しました(チャートは『Investing.com』より引用)。
『LGエネルギーソリューション』の株価にご期待ください。
※今回『LGエネルギーソリューション』が抜くまで『SKIET』の「80兆9017億ウォン」が韓国史上最大でした。
(吉田ハンチング@dcp)