Money1では毎日KOSPI(韓国総合株価指数)の状況をご紹介していますが、ここのところ韓国株式市場は低迷しています。
↑直近までの週足チャート。週足は、ローソク足1本が1週間の値動きを示します(チャートは『Investing.com』より引用)。
問題は、この低迷によって個人投資家に大きなダメージを受けていることです。
まず、韓国では借金をして株式に投資する人が非常に増えています。これは2020年03月の天底からの回復で利益を出した人に釣られて、これまで株式投資をしたことがなかった人まで市場に資金を投じるようになったことが大きな原因です。
その証拠に、2020年半ばまで信用融資残高は「10兆ウォン」ほどだったにも関わらず、2022年05月26日時点で「21兆6,651億ウォン」にもなっています。
それだけ融資を受けて株式にお金を突っ込んでいる人が多いのです。ちなみに、2021年02月03日以来、この信用融資残高が20兆ウォンを割ったことはありません。
個人投資家を追い込むマージンコール
信用取引を行っている場合、最大の問題は「追い証」(マージンコール)です。
買いで入って下がった場合(空売りで入って上がった場合)には、証拠金が足りなくなることがあります。こうなると、期日までに追加で証拠金を入れるか、反対売買を行わなければなりません。
もし両方ともできなければ、証券会社によって反対売買が行われて、そこで損失が確定します。これが「強制ロスカット」です。
この低迷している状況で、不気味に反対売買が増えているのです。
『金融投資協会』のデータによると、2022年01月~05月26日の反対売買の規模は1日平均「167億ウォン」。2019年同期間が「79億ウォン」でしたので2倍超に増えています。
03月:148億ウォン
04月:156億ウォン
05月:171億ウォン
と金額は増え続けています。それだけ追い込まれている個人投資家が多いということです。反対売買が多くなるとと(買いで入っている人が多いので)売り物が多くなります。
つまり、売り圧力が強まるわけで、これは株価の下落要因になるのです。とりあえずKOSPIは「2,600」より上で踏みとどまってはいますが、下げトレンドから抜け出したとは、まだ言えません。さらに下にいくと阿鼻叫喚の地獄絵図になる可能性があります。
本日のプライスアクション、また以降の値動きにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)