「いわゆる徴用工」問題について、「日本企業の資産を売却する」最終判断が韓国の大法院(最高裁判所に相当)からいつ出るのか注目されています。
韓国メディアの多くが「月末までに大法院から判断が出る」と報じていましたが、その日限、2022年08月31日はもう明日です。
同日が期日と推測されているのは、「最高裁判所裁判部の主審である金哉衡(キム・ジェヒョン)大法官が2022年09月04日に退任する」ので、「その前には判断が出るだろう」と考えられたからです。
しかしながら、2022年08月19日に判断が出なかったため、これは審理続行と考える他はなく、引っ張ろうと思えば31日を超えても引っ張ることができます。逆にいえばいつ判断が出てもおかしくはありません。
現金化が行われれば、日本政府は韓国に対してしかるべき措置を取ると公言していますので、いよいよ日韓の断絶はさらに進むと考えられます。
韓国側は努力しているので日本も誠意を見せろなどと、この期に及んでまだ要求を繰り返していますが、今のところ日本政府はこれまでの原則に基づいた姿勢を崩してはいません。
日本が門前払いを繰り返しているので、韓国政府も焦っていますが、それよりも韓国メディアの方が焦れてきました。
『亜洲経済』に『慶南大学』極東問題研究所のチョ・ジング教授の手に成るコラム記事が掲載されたのですが、非常に興味深い内容です。
「現金化されること」を念頭に置いて対策を準備しろ、というのです。
以下に記事から主張部分を引用します。
(前略)
強制徴用問題(原文ママ:筆者注)と関連して、尹大統領は最高裁判決過程で日本が懸念する主権問題の衝突なしに被害者が補償を受けることができる方案を講じていると述べたが、そのような方案が突然空から落ちてくるようなことはない。さまざまなレベルのコミュニケーションを通じて、韓国政府の意思を日本側に伝え、信頼を築くことは重要だ。
しかし、日韓両国政府と国民間の相互尊重と協力がお互いに利益になるという共通の認識がなければ、尹錫悦政府の日韓関係改善のための積極的な態度は片思いにとどまる恐れもある。
今は現実性のない「現金化以前の早期解決」にあまり執着せず、「現金化」の状況を念頭に置いて日韓関係の破局を回避するための「ガードレール」を作る必要がある。
筆者は、現金化した資産を韓国政府が買い入れ、日本企業に返して実際の被害が発生しないようにする代わりに、日本企業が事実を認め、反省と謝罪を表明できるようにすることが代案になると考える。
現金化が行われたら、それはイコール「韓国が日本と結んだ1965年の日韓請求権協定を破棄したこと」という認識がありません。
今は、現金化が行われることで来るであろう日本からの報復措置に備えて「ガードレールを作ろう」などと述べています。
現金化が行われることで何が起こるのかを全く理解していません。つまり、「現金化されたとしても破局は回避できる」と甘えた考えを持っているのです。
ちなみに『亜洲経済』には記事末に、このように主張しているチョ・ジング教授のProfileについて記載していますが、以下のようになっています。
△『高麗大学』社会学科卒業 △『東京大学』法学博士(国際政治専攻) △『慶南大』極東問題研究所 日本センター長
なんと『東京大学』で法学の博士号を取得しています。しかも国際政治専攻だというのです。
その法学博士が「現金化した資産を韓国政府が買い入れ、日本企業に返して実際の被害が発生しないようにする代わりに、日本企業が事実を認め、反省と謝罪を表明できるようにする」ことが解決策になるなどと言っています。
法学博士にしてこのような認識なのです。
このような甘ったれた考えを持つ国を相手にしても時間の無駄ではないでしょうか。日本政府は原則を守って門前払いを繰り返し、報復措置の準備を粛々と進めるべきです。
(吉田ハンチング@dcp)