韓国『サムスン電子』に暗雲! HBMが「NVIDEAのテスト」に不合格

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半導体輸出が回復し、韓国メディアおよび韓国政府もほっと一息ですが、暗雲です。

中国も技術剽窃によって韓国の半導体企業を急追していますので、韓国企業としては中国企業がまだできない技術で追いつかれないようにしなければなりません。

韓国半導体企業のツートップである『サムスン電子』『SKハイニックス』が期待をかけているのがHBM(High Bandwidth Memory:広帯域メモリー)です。

これは、いわゆる「フォン・ノイマンズボトルネック」を解消しようとする、一つの工夫から生まれました。

演算システムの処理速度は、実際に計算を行うCPU(GPU)と記憶装置メモリーの間で、いかに速く、いかに多くのデータをやりとりできるのかに掣肘せいちゅうされます。

CPU(GPU)とメモリーの間で高速かつ大量のデータをやり取りできるように考えられ、そのためのメモリーユニットというのがHBMです。

基盤の上に金線を引いてGPUとメモリーをつないでいたのでは遅い!ということで――、シリコンの板の上に配線してGPUとメモリーをつなぎ、メモリーを搭載する面積が足りない分は「縦に積む」という工夫です。

このシリコンの板をSilicon Interposer(シリコン・インターポーザー)といいます。


↑『SKハイニックス』による12層のHBM3の説明GIF。インターポーザーによって、メモリーとプロセッサーをつなぎ、インターポーザーが基盤に接続されます。

この高速なHBMは、AI技術の進展やハイエンドサーバーなどで利用されることが期待される大事な商品です。そのため、『サムスン電子』『SKハイニックス』共に注力しています。

その期待がかかるHBMなのですが、2024年05月24日、『Reuters(ロイター)』が「Exclusive: Samsung’s HBM chips failing Nvidia tests due to heat and power consumption woes, sources say」(サムスンのHBMチップ、熱と消費電力の問題でNvidiaのテストに不合格との情報筋の話)という独占記事を出しました。

⇒参照・引用元:『Reuters(ロイター)』「Exclusive: Samsung’s HBM chips failing Nvidia tests due to heat and power consumption woes, sources say」

上掲記事によれば、『サムスン電子』は2023年からHBM3とHBM3Eに関する『NVIDEA』のテストに合格しようとしていたものの、8層と12層のHBM3Eチップが04月に「不合格」となった――とのこと。

2024年05月21日付けで『サムスン電子』は、半導体部門のTopを交代させました。全永鉉(ジョン・ヨンヒョン)さんが就任したのですが、これはNVIDEAのテストに合格しなかったことが一因となったのかもしれません。

『サムスン電子』が遅れをとった分、『SKハイニックス』『マイクロン』が躍進するかもしれません。

不合格の原因は「熱と消費電力」と見られていますが、これは当然のことで、HBMはそもそも多層積層構造なので熱の集中を引き起こし、また消費電力が大きくなるのです。

ちなみに『サムスン電子』の株価は以下のようによくありません(チャートは『Investing.com』より引用:日足)。

(吉田ハンチング@dcp)

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