中国はなぜ貿易統計をインチキしているのか。

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先にご紹介しましたが、中国の貿易統計がインチキではないかと『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)が注視しています。

念のために書きますが、『IMF』が「インチキだ」と断言したわけであありません。海関総署(関税庁)と国際収支統計のデータがなぜこれほどブレるかと「疑念」が呈されている段階です。

なんのために貿易統計をインチキしているかというと、「GDPを誤魔化すための基礎データ」になるからだと考えられます。

GDPの計算には、他の要素と項目と共に「純輸出」が含まれます。

これは「輸出 – 輸入」で求めますから、すなわちMoney1でも都度都度ご紹介している貿易収支に他なりません。

ただし、これには貿易収支(「商品収支」)だけではなく、サービス収支も含まれます。

ややこしくて恐縮ですが、国際収支統計では貿易収支とは「商品収支」で、これとサービス収支を合わせて貿易・サービス収支となります。


↑日本の財務省のデータでも呼称は「貿易収支」「サービス収支」となっています。サービス収支だって、サービスを「貿易した」結果の収支じゃないか――なのですが、日本での呼称はこうなっていますので、Money1でも準拠しています。貿易収支を明確にしたい場合は元語の「goods」を取って「商品収支」というのです。

中国の場合は、貿易収支はともかく、サービス収支は赤字です。そのため、GDPを膨らませるために「純輸出」の数字をインチキするなら、貿易収支で頑張ってウソを言うしかないのです。

今回指摘されているのは、海関総署と国際収支統計のデータが乖離しすぎ――という点ですが、そもそも海関総署のデータは正しいのか?――も疑問なのです。

GDP成長率を目標に届かせるために膨らませているのではあるまいな?とも考えられるからです。いずれにせよ、『IMF』がリポートを公表する予定、とのことなのでそれを楽しみに待ちましょう。

(吉田ハンチング@dcp)

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