2024年08月16日、韓国の企画財政部が「2024年08月の最近の経済動向」を公表しました。
輸出が回復して経済が勢いを増している――としていた「いけるでー!」な報告が……腰が引けたものになりました。
以下が今月のリポートですが、企画財政部がどのようにまとめたのかをまず引用してみます。
(前略)
最近の韓国経済は、全般的な物価安定の流れが続く中、堅調な輸出・製造業の好調に加え、設備投資を中心とした緩やかな内需回復の兆しが見られ、景気回復の流れが続いている。
(後略)
「あれ?」です。
05月のリポートでは「内需回復の兆しが現れた」とし、先月には「(景気回復の勢いが)徐々に拡大している」だったのですが、「緩やかな内需回復の兆し」になりました。
トーンダウンしたわけですが、無理もありません。このリポート内のデータを見ると無理もないのです。マズそうな箇所を以下にピックアップします。
↑自動翻訳が「電気代」とかバカな訳をしていますが「前期比」です。どうかご寛恕ください。
設備投資は失速を続けており、2024年第2四半期は対前年同期比で「-3.4%」。2024年第1四半期に続けてマイナスです。
建設投資は、対前年同期比では「+0.2%」になったものの、第1四半期と比較した「対前期比」では「-1.1%」。つまり、第2四半期になって失速したのではないか――です。
民間消費は、同様に対前年同期比では「+0.9%」ですが、対前期比ではマイナスに転じ「-0.2%」。やはり「第2四半期に入って失速」しています。
消費と設備投資が失速しているのでマズイですね。さすがに企画財政部も「景気回復の勢いの拡大が続いている」とは書けなかったわけです。
さらに輸出が拡大していると大本営発表をしていますが、その中身はお寒いものです。以下をご覧ください。
2024年第2四半期
半導体:+50%
自動車:-9%
鉄鋼:-5%
二次電池:-0%
確かに半導体の輸出が大きく回復して、輸出額も増加していますが、これまで韓国を支えてきた自動車や鉄鋼が回復しているわけではないのです。むしろ対前年同期比でマイナスになっています。また、二次電池がマイナスである点にもご注目ください。
――というわけで、最新のグリーンブックを見る限り韓国経済は第2四半期に入って失速した――と見ていい結果となりました。
(吉田ハンチング@dcp)