韓国のエネルギー政策を巡って大変に面白い事態が生じています。
太陽光発電パネルの中国からの輸入が激増。また、韓国の原発用の部品も中国製になるだろうというのです。
現政権のせいで自国メーカーが没落するという悲喜劇
何度かご紹介しましたが、韓国の現文在寅政権は「脱原発・クリーンエネルギー政策」を取っています。
そのため、韓国原発産業の一翼を担うあの『斗山重工業』が傾き、太陽光発電所を造ってみたら、パネルは全部中国製だったという間抜けな事態が出現しました。『斗山重工業』にいたっては「LNG火力発電所に注力するように」という大きなお世話なアドバイスをされる始末です。
『斗山重工業』の件はさておいても、エネルギー政策の根幹のところで「中国製品に頼る」という事態になっているのです。
韓国で太陽光発電パネルを作ることができないかというと、そんなことはないのです。
ところが、韓国1・2の基礎素材のポリシリコンを製造するメーカーが法定管理下に置かれて操業停止、ウエハメーカーは上場廃止という大変面白いことになって、パネルは現在中国製に押されっぱなしなのです。
原発部品の方も、大本の『斗山重工業』が傾いているわけですから、当然部品納入業者も左前。韓国政府「産業通商資源部」の「第9次電力需給基本計画」によれば、2034年までに原発を17基削減(予定)。業者は本年末で仕事がなくなる予定ですから、以降に必要な部品は中国製になるという流れです。
特に中国製が悪いというわけではないですが、韓国の現政権が行っている政策というのは、かくのごとく自国の企業を痛めつけ、外国(今回の場合は中国)をもうけさせる方向で動いているのです。
この件を報じた韓国メディア『朝鮮日報』の記事から以下に引用します。
今年01~04月の中国産太陽光パネルの国内輸入額は1,420億ウォンで、前年の同じ期間に比べて42%も増えた。
脱原発と言って押し通した太陽光発電の育成が、中国製品の国内市場蚕食を許したのだ。
太陽光パネルの基礎素材であるポリシリコンの国内1、2位のメーカーが法定管理に入り、国内工場の稼働を停止した。中間製品であるウエハのメーカーは先月、最終的に上場廃止された。
今年3月の稼働に入った全南海南の国内最大の太陽光発電所は、100%中国製だという。
とんでもないことだ。
原発生態系についてもこの話に負けず劣らない。
(中略)
親太陽光、脱原発政策が、中国企業を養い、国内企業を没落の道に追い込んている。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「【社説】原発部品産業枯死直前に。中国産太陽光は全盛時代」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
「とんでもないことだ」に記者の怒りを感じますね。
先にご紹介した、「水素シティー」で使われる「水素抽出技術」は日本の『大阪ガス』のもの、と全く同じ構図です。
全く「ナニやってんだか」という話です。
(柏ケミカル@dcp)