韓国メディア『朝鮮日報』に「ナスダックに2年ぶりに現れた暴落の兆し」という記事が出ました。
「どうしたどうした」という話なのですが、チャート上にデッドクロスが出たというのです。「デッドクロスと言いたいだけなんじゃないのか」と思わないでもありません。
NASDAQに現れたサインとは?
株式やFXの取り引きをされない方は「なんのこっちゃ」と思われるかもしれませんが、以下のアメリカ合衆国NASDAQ(ナスダック)のチャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
ローソク足1本が1日の値動きを示す日足チャートですが、その上に「50日移動平均線」と「200日移動医平均線」を重ねて表示しています。
この「移動平均線」(Moving Average)というのは、直近○日間の値の平均をプロットして作られます。
例えば「5日移動平均線」なら「直近5日ごとの値(ね:以下同)の平均」をプロットし、これをつなげたものです。「16日移動平均戦」なら「直近16日ごとの値の平均」をプロットして線にしています。
何が分かるのかというと、値のトレンドです。
長期の値のトレンドと短期の値のトレンドがどのように動いているのかを確認するために使うのです。長期に時間を取った方がラインは緩やかになり、短期に時間を取った方がラインの動きは急です。
で、長期トレンドラインを短期トレンドラインが上から下に抜くときがあります。これが「デッドクロス」です。
短期の値の動きが、長期の値の動きより下にいくわけですから、「下落トレンドが始まったのではないか」というサインになるのです。
で、――上に戻るのが面倒でしょうから同じチャートを以下に再度貼ります。
50日移動平均線が200日移動平均線を上から下に抜きました。デッドクロスの発生です。そこで『朝鮮日報』は「暴落の兆し」と報じているわけです。
しかし、合衆国のNASDAQの心配より、自国KOSPI(韓国総合株価指数)の心配をしたらいかがでしょうか。
KOSPI暴落の兆しは10月に出ていましたよ
ちなみに、KOSPIで同じ50日移動平均線、200日移動平均線を使ってみると以下のようになります。
『朝鮮日報』の表現を借りるなら「あ、去年の10月14日に暴落のサインが出ていましたね」です。
上掲のとおり、デッドクロスのサインどおりKOSPIは下落を続けております。NASADAQの暴落より自国の心配をした方が良いのではありませか。
⇒参照:『朝鮮日報』「ナスダックに2年ぶりに現れた暴落の兆し」
(吉田ハンチング@dcp)