2022年10月07日より、「中国に半導体を渡さない」というアメリカ合衆国の締め付けが強化されました。
合衆国は重要な締め付けを実行する!
以下は『BIS』(Bureau of Industry and Securityの略:合衆国商務省産業安全保障局)が出したプレスリリースです。ポイントは、これまでの規制をさらに強くし「中国に半導体および半導体製造装置を入手できなくすること」です。
この規制の意義を鼻息荒く語った部分をご覧ください。
ワシントン D.C.――『商務省産業安全保障局』(BIS)は、合衆国の国家安全保障と外交政策の利益を守るための『BIS』の継続的な取り組みの一環として、輸出規制の一連の更新を実施します。
これらの更新は、中華人民共和国(PRC)が軍事用途に使用する特定のハイエンド・チップを購入および製造する能力を制限するもので、『BIS』による以前の政策、企業固有の措置、および規制、法律、執行措置を基礎としています。
本日発表された2つの輸出規制は、中国が高度なコンピューティングチップを入手し、スーパーコンピュータを開発・維持し、高度な半導体を製造する能力を制限するものです。
(中略)
第一に、この規則は、特定の高度なコンピューティング半導体チップ、スーパーコンピュータの最終用途のための取引、および事業者リストに掲載された特定の事業者が関与する取引を制限する輸出規制を課しています。
第二に、この規則は、特定の半導体製造品目と特定の集積回路(IC)のエンドユーザーとの取引に新たな規制を課しています。
(後略)
韓国は「げえっ!」となっています。
韓国は半導体産業が輸出の大黒柱ですので、合衆国の締め付けの影響が懸念されます。そこで、産業通商資源部から2022年10月07日、以下のプレスリリースが出ました。韓国が引っかかりそうな箇所を具体的に挙げていますので、そこを引用します。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。
10月07日発行
以下の基準を満たす半導体の生産目的の場合、合衆国の輸出管理品目は中国への輸出はできない。・ロジックチップ:FinFET構造または16/14nm以下
:Dラム:18nm以下
・NAND :128段以上▪新しく管理対象に組み込まれた高仕様「蒸着装置」も輸出制限
▪中国企業には原則的に許可しない。
韓国企業のように中国内の多国籍企業には事案別に審査
上掲のとおり、中国にファウンドリーを有する韓国企業にとってはかなり厳しい規制で、このまま規則どおりに解釈すれば、最先端の半導体製造装置が入手できなくなくなります(特に無錫に最先端微細工程のファウンドリーを持つ『SKハイニックス』には大問題)。
ただ、韓国政府はこのプレスリリースでは「韓国企業のように中国内の多国籍企業には事案別に審査」なので、「大丈夫だ」としているのです。
合衆国と事前協議を行い、「中国内の韓国半導体工場が、グローバル半導体サプライチェーンで占める重要性を踏まえ、合衆国側は別途の例外的な許可手続きを導入する」となったことをその根拠としています。
もし、これが本当なら大丈夫かもしれませんが、しかし先行きには懸念があります。例えば、合衆国と中国の関係がさらに悪化した場合です。また、米韓の協議が決裂したら……?
さっさと中国から逃げておけばよかったのですが、韓国半導体企業(特に『SKハイニックス』)は完全にタイミングを失しました。
(吉田ハンチング@dcp)