電気自動車の需要が急速に縮小して、韓国では完成自動車メーカーのみならず、上流の産業である「車載用バッテリー」メーカーの業績が傾いています。
例えば、韓国最大手の『LGエネルギーソリューション』の2020年の業績は対前年同期比で営業利益が「約73%」も減少する――という惨憺たる状況です。
●『LGエネルギーソリューション』
5,754億ウォン(-73.4%)
●『サムスンSDI』
3,633億ウォン(-77.8%)
●『SKオン』
-1兆1,000億ウォン(赤字拡大)
※( )内は対前年比の増減/『SKオン』の営業利益は推算
⇒『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト
文在寅前大統領の時代から「K-バッテリー」と自画自賛してきたのですが、先行きも不透明になってきました。
2025年02月05日、韓国の企画財政部は「国政懸案関係長官会議の兼経済関係長官会議の兼産業競争力強化関係長官会議」を開催(以下はプレスリリース)。
この中で34兆ウォン規模の「先端戦略産業基金」を造成する――としました。
崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官(大統領代行)は、
「この基金は、現在運営されている半導体金融支援プログラム(17兆ウォン)の2倍以上の規模で設立し、低金利融資や株式投資など、多様な支援策を推進する計画だ」
「具体的な基金設立計画を早急に策定し、関連法改正案を3月の国会で協議する」
――と述べています。
困ったら「◯◯◯ファンド」「□□□基金」を造成するのは韓国のいつものことですが、この基金が役に立つことはほとんどありません。
そもそも政府が補助金を出さなければ業績が立ち行かない(利益が出せない)というのは産業として成立していないことの証左です。
また、技術レベルで中国企業に追いつかれた以上、韓国企業に勝ち目はありません。安値の叩き合いになったら絶対に勝ち目はないからです。中国企業と正面切って戦うのは無理なのです。
(吉田ハンチング@dcp)