韓国の実体経済が急速に悪化しており、これを回復するには時間がかかりそうです。ただ、韓国株式市場は回復の様相を見せています。
Money1ではしつこくKOSPI(韓国総合株価指数)の動向をご紹介していますが、上掲のとおり、今回の新型コロナウイルス騒動で一時は「1,439.43」(2020年03月19日)まで沈みましたが、04月17日(金)には「1,914.53」まで回復しています。
韓国政府は、株価の下落に慌てて「株式市場安定ファンド」というものを作りました。
これは、株式市場が暴落に見舞われたらお金を突っ込んで市場を支えようという政府主導の基金です。国策銀行、市中銀行、証券会社などがお金を出し合って10兆ウォン規模のものとして04月09日から稼働しています。
ところが、上掲のとおりKOSPIは「1,900」台まで上昇し、現在のところ暴落局面ではなくなってしまいました。
誰もが「このファンドはどうするんだろう」と思うのではないでしょうか。
2020年04月18日、同じように疑問に感じたのでしょう、韓国メディア『news1』に興味深い記事が出ました。以下に一部を引用します。
(前略)
直近では、国内の株式市場はやや落ち着きを見せており、安定基金がすぐに株式市場の防衛のために投入されることはない見込みである。(中略)
投資管理委員会は、いつでも資金を投下できる状態にありながら、利子を受けるなど、収益を上げる方法を見つけるようだ。
(後略)⇒参照・引用元:『news1』「10兆株式安定ファンド、1,910線回復に投資先は?」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
というわけで、慌てて作ったファンドなのですが資金は使われておらず、そもそもどういう基準で資金を投下するかも決まっていないのです。
先にご紹介したように、暴落時にはとても10兆ウォンなどという規模ではお金が足りませんので、全くのムダな基金なのですが、株価が上昇したらしたで存在意義がありません。
むしろ、ここで存在意義を示すために、よせばいいのにお金を突っ込んで二番底でドボン!みたいなシナリオもあり得ます。
そうなったらなったで……まあ端で見ている分には面白いかもしれません。
(柏ケミカル@dcp)