アメリカの債務上限問題が先送りとなりました。アメリカ連邦政府は09月末までの資金の手当しかついていないので、国債を発行できる上限、つまり「債務上限の引き上げ」を行わないと新年度(アメリカは10月01日から新しい会計年度になります)からいきなりデフォルトの可能性があったのですが、これが回避されたわけです。
具体的には、トランプ大統領が民主党とディールして「とりあえず暫定予算を編成することにしよう」と合意しました。とはいえ、これはあくまでも問題の先送りです。債務上限を引き上げないと連邦政府はこれ以上借金を行えず、国債の償還ができなくなる可能性があります。そうなったら債務不履行、デフォルトです。
今回の先送り合意で、連邦政府が債務上限に達するのは12月15日まで繰り延べされたと考えられています。しかし、またそのころになるとデフォルトについて議論され、決断できないと、またぞろ「政府機関の一時閉鎖」という事態になります。
「トランプ大統領はディールが十八番」なんていわれますが、取引して問題を先送りするのと「問題を解決する」のは、全く違うことのはずです。トランプ大統領の政治姿勢による混迷はドルを弱含みにしています。例えば、現在進行中のユーロ高はドルの弱さが一因と考えられています。
(柏ケミカル@dcp)