韓国の経団連『全国経済界連合会』によれば、韓国には輸出15大品目があるそうで、「石油製品」もその中に入っています。
原油を輸入して、ガソリン・灯油・航空燃料などに精製して輸出しているのです。しかし、このところの石油製品の価格低下、新型コロナウイルス騒動による需要低迷によって、韓国の石油精製企業は、ご多分に漏れず「崖っぷち」の状況となっています。
韓国Top4の石油精製会社がそろって大赤字!
韓国では、『SKイノベーション』『S-Oil(エスオイル)』 『現代Oilbank(オイルバンク)』 『GS Caltex(カルテックス)』の4社が石油精製会社のTop4です。
2020年第1四半期の決算は、この4社がそろって赤字。しかも大赤字という結果でした。
『SKイノベーション』▲1兆7,752億ウォン
『S-Oil(エスオイル)』 ▲1兆73億ウォン
『現代Oilbank(オイルバンク)』 ▲5,632億ウォン
『GS Caltex(カルテックス)』 ▲1兆318億ウォン
小計:4兆3,775億ウォン(約3,867億円)の赤字※1
この巨額の赤字が2020年「第2四半期」も続くだろうと予測されています。
というのは、精油会社が黒字になる損益分岐点が「精油マージン1バレル当たり4ドル」といわれているのに、4ドルどころか精油マージンは「マイナス」に落ち込んでいるのです。
つまり、精油すればするだけ「巨額の赤字」で、これを「死の行進」としてMoney1では05月25日にご紹介しました。
この件を報じた『中央日報』2020年06月18日の記事によれば、06月第2週基準で精油マージンは1バレル当たり「-0.4ドル」。精製すればするだけ赤字が増えていくのは変わっていないのです。
また、石油精製の特徴として「灯油だけつくる」ということができません。精製過程で他の石油製品もできてしまうため、需要がまだある製品はともかく、需要が落ち込んでしまった製品はもう在庫が積み上がるばかりです。
さすがに韓国の精油会社も生産調整を行っているのですが、それでも第2四半期の赤字は避けられない見通し。どこまでセーブできるかが勝負となっています。
ちなみに『中央日報』の元記事では「和風の構造調整」が不可避ではないか、と論評しています。日本では、かつて17の精油会社があったが構造調整によって5社になった、と書いています。
そもそも現在大手が4社しかない韓国はどういう構造調整するつもりなのでしょうか。
⇒参照・引用元:『中央日報』「17社が5社に減った…「赤字」精油、和風構造調整論」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※1ウォンから円への換算は2020年06月18日の「1ウォン=0.088円」をも使用しました
(柏ケミカル@dcp)