朝鮮半島の統一費用「約550兆円」 誰も出さないよ(笑)

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長の会談が行われ、共同宣言は出されていますが「完全な非核化」については触れられていません。達成するためのロードマップや具体的な日付についてもありません。

金正恩委員長は、声明署名後の共同発表でも「非核化」については全く触れませんでした。両者の発表でも特に目新しいものは何もなく、そのためこの会談は行われたことに意味はあるものの、成果はほぼなかったという評価になります。

朝鮮半島に統一国家ができるかは不明ですし、できるとしても非常に面倒くさいプロセスを踏みそうです。南北の往来を自由にすれば、北朝鮮から国民がなだれを打って南に逃げ出すのは明らかで、国体を維持したい金正恩委員長はそれを座視しないですね。

共産主義国家というより、世界にただ一つ残った中世の「王朝」みたいな国ですから、国民の大量流出には軍事力を持って臨むでしょう。その混乱の中「王朝」が瓦解すれば、これは「ルーマニア」的な崩壊であって、当然ながら金正恩委員長は生存できません。

その後、仮に統一国家ができたとしても、まともな国家運営ができるとはとうてい考えられません。韓国はアメリカ・日本の援助を受けて経済的に伸張した国です。

かつての西ドイツのように東ドイツを支えることができるほどの経済力はありません(そしてドイツの東西の経済力格差は今でも存在しています)。統一国家が成立するにしても、韓国の経済力は大きく毀損(きそん)されるでしょう。

統一にかかる費用は、一応5兆ドル(約550兆円)と試算されています。この途方もない金額を韓国が負担することはできませんし、当然アメリカも援助するつもりはさらさらないでしょう。

なぜなら、その統一国はかつての西ドイツ(合併した東ドイツ)のようなハートランドではないからです。朝鮮半島はあくまでも辺境地域であって、アメリカとしては日本を楯とすることで、太平洋の利権は守れます。

地政学的な話は置くとしても、5兆ドルは韓国の負担ですから、どう考えてもドボンです。

ちなみに、ドイツが統一のために要した費用は「2兆ユーロ」と計算されています。これは、2014年にベルリン大学クラウス・シュレーダー教授が発表したものです。

シュレーダー教授は、この2兆ユーロの約60%が新たな国民となった人々の社会保障関連に使われたとしています。もちろん、朝鮮半島にできる統一国家でも同じようなことになるでしょう。

アメリカ・北朝鮮の会談がどうなるかは分かりませんが、日本はその先々まで見通して今から手を打っておかないといけません。

(柏ケミカル@dcp)