中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』の名物編集長「胡錫進」さん(名前だけでも覚えて帰ってください)が非常に面白い社説を書いています。
自国の実情に照らし合わせてみたらいかがでしょうか、という内容ですのでご紹介します。
残念なことに、報道の自由は完全に西洋の政治システムの枠組みで定義されており、多くの開発途上国の社会的現実は無視されている。
(中略)
欧米型の報道の自由は、複数政党制の下で、強力な資本や団体の影響を受けながら形成される。
中国には同様の政治的環境は存在しない。
(後略)
⇒参照・引用元:『Global Times』「Western-style press freedom proves to be increasingly decaying」
GDPが世界第2位に達しているにもかかわらず、自らを開発途上国とする甘えた態度もどうかと思われますが、欧米型の報道の自由は、開発途上国の実情にそぐわないので中国は採用しないといっています。
報道の自由が政治形態に左右されるという主張です。中国共産党の一党独裁であるから中国には西洋式の報道の自由がなくてもいいという居直りに過ぎません。編集長の認識がこのようなものであることに驚きを禁じ得ないのではないでしょうか。
記事末、最後の段落が奮っています。
今、中国人は5日間のメーデー休暇を楽しんでおり、空前の繁栄と自由を満喫している。
しかし、欧米の多くのメディアは、中国を鏡に見立てて、欧米の欠点やシステム上の問題を認めようとせず、毎日、中国を小馬鹿にし続けている。
つまり、欧米の報道・情報システムがいかに衰退しているかが分かる。
中国の皆さんの満喫している繁栄と自由には表現・言論の自由は入っていないし、空前の監視社会の中での繁栄と自由なのですが、それを是としています。
メディアに携わる人間としてこの態度はいかがなものでしょうか。
また、中国を小馬鹿にし続けているから衰退している――という点も注目に値します。それは小馬鹿にされる点が中国にあるからではないでしょうか。
また、中国を小馬鹿にできるのは表現・言論の自由があるからです。
もし、中国に本当に表現・言論の自由があって、古い言葉ですが「社会の木鐸たらん」とする気概をお持ちでしたら、中国共産党政府に対して批判の一つでもなさってみたらいかがでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)