どの国でもそうですが、年金基金は資産運用でできるだけ多くもうけないといけません。少子高齢化で基金の運営が苦しくなっている場合は特にです。
韓国でも国民年金基金は巨額を運用していますが、2022年07月01日、『国民年金運用委員会』が開催され、保健福祉部が2021年度の投資実績を公表しました。
これが結構興味深い内容です。
まず、全体としては収益率「10.86%」を達成しました。これは良い成績です。そもそも『国民年金運用本部』が設立されて以来、10%を超えたのはこれで4度目の快挙。
簡単なポートフォリオを見てみると、以下のようになります。
残高/収益率
韓国内債券資産:340兆ウォン/-1.2%
韓国内株式資産:165兆8,000億ウォン/+5.88%
外国株式資産:256兆5,000億ウォン/+29.8%
外国債券資産:64兆ウォン/+7.26%
韓国内債券資産:340兆ウォン/-1.2%
韓国内株式資産:165兆8,000億ウォン/+5.88%
外国株式資産:256兆5,000億ウォン/+29.8%
外国債券資産:64兆ウォン/+7.26%
外国株式に投じて収益率が「+29.8%」となっていますが、ウォン建てにしての結果ですので、ウォン安の影響がありそうです。ドル建てで収益率がどのくらいになるのか知りたいですね。
ご注目いただきたいのは、韓国内債券への投資が、最も金額が多いのに「-1.2%」と損をしている点です。
面白いことに、この点を指して韓国メディア『ソウル経済』に「比重が最も大きいのに…収益率『マイナス』とは何ですか」という記事が出ています。
「なんですか」も何も、全体として利益が出るようにポートフォリオを組んでいるのであって、全体として10.86%の収益を出したわけですから、文句を言われる筋合はありません。
「もうけましたけど何か?」です。
日本の『GPIF』もそうですが、もうけても大して褒めてもらえず、赤字が出るとマスコミが鬼の首でも取ったかのように非難します。お気の毒ですね。
(吉田ハンチング@dcp)