中国企業製の自動車が世界市場を攻略しようとする動きを強めています。いつまでも「中国産は安かろう悪かろうだ」と見くびってはいられません。
韓国も同様です。気が付けば韓国内市場が中国産自動車に席巻されていた、なんてことになるかもしれないのです。
韓国の自動車メーカーは、世界的な電気自動車需要の高まりをチャンスと見ていますが、なんのことはない中国企業だって同じ考えなのです。
内燃機関車ではさっぱり勝てないので、内燃機関車から電気自動車へのシフト時期になんとか先進国メーカーからシェアを奪いたいと動いています。
日本市場攻略に動き出した中国『BYD』
2022年07月21日には、中国電気自動車メーカーの雄『BYD』が2023年01月に日本市場に参入する旨を公表しました。
読者の皆さまもニュースを目にしたのではないでしょうか。同社は電気自動車「ATTO 3(アット3)」「DOLPHIN(ドルフィン)」「SEAL(シール)」の3車種を投入する予定です。
↑すでに『BYD Auto Japan株式会社』のホームページもオープンしています。
『BYD』は日本初進出ですが、設立した『BYD Auto Japan株式会社』で全国に100店舗ほどのディーラー網を構築する計画を持っています。二度目の進出となった『現代自動車』は、ネット販売のみですが、『BYD』の方は気合が入っています。
へたをすると、『BYD Auto Japan株式会社』の方が『現代自動車』より売れたなんてことになるかもしれません。
で――韓国国内市場の方ですが、「何やってんだ」という状況になっています。韓国内で中国企業製の電気バスがシェアを伸ばしているのです。
中国製の電気バスが韓国市場でシェア50%!
本件を報じた『毎日経済』の記事から一部を以下に引用してみます。
(前略)
昨年末基準で国内で運行中の電気バスは1,220台ほどで、市場規模は3,500億ウォンと把握されている。国産電気バスの優れた技術力にもかかわらず、中国産電気バスは今年上半期の国内電気バス市場で半分を占めた。
韓国自動車産業協会によると、『現代自動車』は今年上半期に「エレクシティ」204台を供給して市場シェア24%を記録し、『エジソンモータース』が19%で続いた。
『現代自動車』は昨年は39%の割合で圧倒的な1位だったが、今年上半期にはシェアが大幅に低下した。
安い価格を掲げた中国産が飛び込んできたからだ。昨年、中国産電気バスの国内市場シェアは39%だったが、今年上半期には初めて50%まで上がった。
このように中国が韓国の電気バス市場を狙うのは、輸出時の物流コストが少なくて収益性が良い上に、韓国が相対的に電気自動車補助金が多い方だからだ。
中国産の電気バス企業は保証期間を増やす一方、運輸業者を対象に強力な販売促進活動を広げながら市場を浸食している。
価格競争力は中国産電気バスの最も強力な武器だ。
中国産電気バスは1台当たりの輸入単価が2億ウォン台序盤の水準だ。
3億ウォン台半ばの国産よりはるかに安い。
ここに韓国国民の税金から投入される補助金のおかげで、運輸業者は1億~1億2,000万ウォンで中国産電気バスを購入できる。
2022年上半期には、韓国の電気バス市場で中国産の電気自動車のシェアが50%に達したというのです。
↑「ELEC CITY(エレクシティ)」。PHOTO(C)『現代自動車』
そもそも中国産の電気バスは安いのですが、韓国政府が出している補助金も入れると、韓国製の電気バスでは勝てないほどの価格戦闘力となり、シェアを奪われているのです。
「ナニやってるんだ」という話です。まだ電気バスですが、安価な中国産のEV乗用車が本格的に進出したらどうなるのかと心配になりませんか。
(吉田ハンチング@dcp)