韓国に外貨がいくらあるのかの参考になりますので、ご紹介します。
2022年09月20日、『韓国銀行』が韓国居住者※の外貨預金についてのデータを公表しました。当月(2022年08月)は非常に興味深い結果です。
結論からいえば、先月に引き続き「21億ドル減少」しました。まず以下をご覧ください。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022年08月 居住者外貨預金動向」
ドルが「15.7億ドル」減少しています。ユーロ、人民元はそれぞれ「4.6億ドル」「4.0億ドル」減少していますが、日本円は逆に「2.6億ドル」増加しています。
なぜ日本円が増加しているのかというと、日本円が対ウォンでも円安進行しているためと推測されます。決済通貨の43.5%が日本円(2021年実績)である対日本輸出業者にとっては、日本円が対ウォンで安くなると困るのです。
ウォンにしたときの実入りが減るからです。ですので、獲得した日本円をウォンに換えずに温存していると思われるのです。
日本円の方は余談なのですが、問題はドルが減少した理由です。『韓国銀行』は以下のように説明しています。
□2022.8月末現在、外国為替銀行の居住者外貨預金*は882.7億ドルで前月末比21.1億ドル減少。
(中略)
ㅇ(通貨別)ドルの預金とユーロの預金が前月末に比べてそれぞれ15.7億ドル、4.6億ドル減少
―ドル預金は、外国人の直接投資資金の回収や一部企業の輸入決済代金引き出しなど、企業を中心に減少
― ユーロ貨預金は一部証券会社の海外派生取引に関連して証拠金納入および現物売り等により減少
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022年08月 居住者外貨預金動向」
ドル預金の減少について、外国人投資家による「直接投資の資金回収」を要因の一つに挙げています。
韓国はウォン安進行で資金流出が懸念されてる状況です。資金流出が加速すると危なくなりますので、このような外貨預金の減少はよくない兆しと見ることができます。
次月以降も注視したいところです。
※この場合の居住者の定義は「内国人と国内企業、国内に6カ月以上居住した外国人、国内に進出している外国企業などの国内外貨預金」です。
(吉田ハンチング@dcp)