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中国は必死で外国からお金を集めようとしている。「1.25 ⇒ 1.50」

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中国必死だな――という話です。

2023年07月21日、『中国人民銀行』は以下のような公告を出しました。

本格的なクロスボーダー融資のマクロプルーデンス管理をさらに改善するため、人民銀行は企業と金融機関のクロスボーダー資金源を引き続き増加させ、資産と負債の構造を最適化するよう指導する。

中国政府と国家外為管理局は、企業や金融機関のクロスボーダー融資に対するマクロプルーデンス規制を調整することを決定し、パラメーターを1.25から1.5に引き上げ、2023年7月20日から施行する予定だ。(以上)

⇒参照・引用元:『中国人民銀行』公式サイト「中国人民銀行と国家外為管理局は、クロスボーダー融資のマクロプルーデンス調整パラメータを引き上げた」

マクロ・プルーデンス調整パラメーター(係数)を1.25から1.50に上げるという宣言です。

これが「必死さ」が窺える理由です。

「マクロ・プルーデンス調整パラメーター」って何よ?と思われるかもしれません。これは、企業や金融機関が「国外から調達できる資金の上限」を設定するための「係数」です。

この係数が「1」の場合、資金調達限度額は純資産の2倍までになります。

なぜ2倍となるかというと、この調達限度額の計算式は、

純資産 × レバレッジ比率(値は2)× マクロプルーデンス調整係数

となっているからです。係数の前にレバレッジの「2倍」が入ります。

2022年10月25日には、『中国人民銀行』はマクロ・プルーデンス調整係数を1から「1.25」に引き上げました※3

この調整によって、中国企業は外債発行によって純資産の2.5倍の資金を調達できるようになりました。

今回の「1.25 ⇒ 1.50」の改定によって、「純資産の3.0倍」の資金調達が可能となったわけです。

何を意味しているかといえば、企業や金融機関に「お金を引っ張ってこい」といっているわけです。この動きの背景には人民元安の圧力にさらされていることが背景にあります。

2023年07月21日、中国国家外貨管理局の王春英副局長兼報道官は、「人民元相場は実態に応じて安定化する。今回のパラメーター引き上げは企業が海外から資金を調達する余地を拡大し、資金源と流入を拡大し、外国為替市場の安定化に役割を果たすことができる」と述べています。

ドルを引っ張ってきて、(中国内に投資するために)人民元に換えれば、ドル売り元買いが発生しますので、元高方向に誘導できるというわけです。

20日にすぐ施行だ!だったのですが、では効果はあったのか?――以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:日足/ドル・オフショア人民元)。

07月20日には元高方向に動きました。長い陰線となっています。

しかし、残念なことに翌21日は陽線で、また元安方向に戻しています。

ここのところ中国がやたらに「お金くれ」という動きをしているのは、本当に困っているからです。

しかし、中国にお金をやってはいけません。

※1外債の発行限度額

※22017年01月の改正(銀発『2017』9号)によって純資産の2倍となりました。

※32022年03月にいったん「1.25」に上げたものの、その後「1」に戻していた。

(柏ケミカル@dcp)

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