中国・広東省仏山市高明区にある8億3,800万元を投入して造った都市型交通システム、水素エネルギー路面電車が「システム設備の点検」を理由に突如運行を停止しました。
2020年に開業したのですが、5年もちませんでした。
もちろん理由はシステム設備の点検などではありません。赤字です。
この水素路面電車の路線は約8.89キロメートル。
かつては地元の先端機器製造開発の花形プロジェクトともてはやされたのですが、とにかく利用する乗降客が少なく、2020年の1日平均乗客数は1101人、2021年には578人に減少。2022年以降はさらに減少しました。
2023年には、運行時間が1日13時間から2~4時間に短縮されましたが、年間支出は1.45億元に達し、もうこれ以上は無理――となった模様です。
中国語メディアの報道によれば、2023年の時点で「路面電車はもう取り壊そう」という議論がなされていたのですが、正式な「解体」決定を行わず、ずるずると先送りした結果です。
これなどもやはり、地方政府による無駄なインフラ投資の一つです。こういうことが各地で起こっている――それが中国なのです。
(吉田ハンチング@dcp)