韓国「外貨準備」07月末で過去最大とお喜びですがDeposites(預金)は減少を続けており……

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2020年08月05日、韓国銀行から07月末時点での韓国の外貨準備が公表されました。

以下のようになっています。

外貨準備高:4,165億ドル(約43兆9,824億円)※1
(前月比:約58億ドル増加)

<<内訳>>
⇒Securities 3,794億ドル(約40兆646億円)
(証券類)
前月比:68億ドル増加

⇒Deposits 249億ドル(約2兆6,294億円)
(預金)
前月比:12億ドル減少

⇒SDRs 31億ドル(約3,274億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:増減なし

⇒IMF position 44億ドル(約4,646億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:1億ドル増加

⇒Gold 48億ドル(約5,069億円)
(金)
前月比:増減なし
※1円換算は2020年08月05日「1ドル=105.60円」のレートで算出

⇒データ引用元:『韓国銀行』「Korea’s Official Foreign Reserves(As of the end of July 2020)」
http://www.bok.or.kr/eng/bbs/E0000634/view.do?nttId=10059667&menuNo=400069

毎度ながら何が増加したか不明なSecurities(証券類)、減り続けるDeposites(預金)

2020年07月末時点での外貨準備高は「4,165億ドル」で、前月末より58億ドル増えました。

Securities(証券類)68億ドルも増加した一方で、現金たるDeposits(預金)12億ドル減少。

韓国の場合、Securities(証券類)の中のほぼ1/3がアメリカ合衆国公債ですが、この増加した68億ドル分の証券類が何なのかが問題です。1/3が合衆国公債とは限りません。

先にご紹介したとおり、2020年04月から05月にかけて42億ドルSecurities(証券類)が増えましたが、合衆国公債の保有額は「27億ドル」も減ったのです。謎の証券類が差し引き「69億ドル」も増加していました。今回も増加分「68億ドル」に合衆国公債は全く含まれていないかもしれません。

Securities(証券類)については、合衆国財務省が「合衆国公債ホルダー」のデータを公表してから答え合わせをいたしましょう。

気になるのは現金たるDeposites(預金)の増減です。以下は、2019年01月から今回公表された2020年07月までのDeposites(預金)の推移です。

上掲のとおり、韓国の外貨準備の中のDeposites(預金)は、2019年12月に前月の「202億ドル」から「129億ドル」に激減。

その後、2020年01月から03月まで急激に増えます。03月に「317億ドル」になった後、今度は04月から07月まで減り続けています。

ドルの流動性が枯渇するかもと懸念され、合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結したドル流動性スワップ※2の契約(03月19日に締結)で救われた03月、現金たるDeposites(預金)が「317億ドル」で直近最多金額なのです。

しかも韓国の外貨準備でDeposites(預金)が300億ドルを超えたのは、2015年01月~の直近5年のデータを見ても、2020年03月が初のことです。

ドルが足りない時期に外貨準備のDeposites(預金)はかつてなかったほど積み上がり、以降は減り続けています。不思議ではないでしょうか。

※2韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。

(吉田ハンチング@dcp)

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