韓国の産業通商資源部が2021年03月の輸出入の動向について公表し、それについて「貿易収支が40億ドル」では全然ダメと評しましたが、その理由をご紹介します。産業通商資源部が公表したデータは以下です。
2021年03月
輸出:538.28億ドル(対前年同期比:16.6%増)
輸入:496.53億ドル(対前年同期比:18.8%増)
貿易収支(輸出 – 輸入):41.75億ドル(対前年同期比:4.3%減少)
輸出:538.28億ドル(対前年同期比:16.6%増)
輸入:496.53億ドル(対前年同期比:18.8%増)
貿易収支(輸出 – 輸入):41.75億ドル(対前年同期比:4.3%減少)
この結果をもって韓国メディアでは、「輸出538億ドル!」「対前年同期比16.6%アップ」と喧伝していますが、韓国にとって最も大事なものは、貿易のもうけを示す「貿易収支」です。
以下は、「国際収支統計」のデータによる韓国の「貿易収支」の推移です(文在寅大統領が就任した2017年01月~2021年01月)。
赤の点線が40億ドルですが、非常に低いことがお分かりいただけるでしょう。
ただし、この40億ドルはあくまでも通関ベースの暫定値。国際収支統計にまとまったときに増加するでしょう。先にご紹介したとおり、通関ベースのデータと国際収支統計は(当然ながら)ズレます。また、ズレて増加していないと韓国はもうかりません。
なぜなら、韓国は貿易収支こそが黒字の要で、経常収支は常に貿易収支より小さくなるからです。貿易収支が十分な黒字でなければ、経常収支の黒字は覚束ないのです。
上掲は先にご紹介したこともある、韓国の2020年の経常収支の4つの要素の平均値を計算したものです。このとおり、コロナ禍の中、貿易収支は月平均で「68.3億ドル」あります。40億ドルでは全然ダメです。
もちろん、この「全然ダメ」は「貿易収支が国際収支統計でも『40億ドル』で締まったら」のことです。数字が公開されるのを楽しみにお待ちください。
何度もいいますが、貿易収支が減少しているのを見ずに「輸出が538億ドル突破!」と喜んでいるのはおかしいのです。
(吉田ハンチング@dcp)