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インドネシア海軍潜水艦の沈没を公式発表。元インドネシア軍少将が韓国での改良に疑念

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2021年04月23日、インドネシア海軍は行方不明となっていた潜水艦「Nanggala・402」(ナンガラ)がバリ島の北方海域で沈没したことを発表しました。これで公式に沈没、乗員53人全員の死亡が確定したわけです。

慎んで亡くなられた53人の乗員の皆さんのご冥福を慎んでお祈りします。

インドネシアメディアの報道では以下のようなことが出ています。

①推定沈没海域に油と破片の流出が確認できる

②ということは『ナンガラ402』は船体に亀裂が生じたはず
(圧壊の可能性が推測できる)

③6つの浮遊物が発見された
(魚雷発射管のストレートナー、冷却パイプラッパー、ペリスコープ潤滑剤、お祈りに使用するマットなど)

④沈没したと見られる海域の深度は850m
(「ナンガラ402」の潜行可能深度は200あるいは250mと報道)

⑤「ナンガラ402」が「潜水を開始する」と報告した座標から破片などが見つかった地点は2マイル(約3.2km)離れている

また、例えば魚雷発射訓練による爆発があったのであれば、ソナーが捉えていたはずで、それがない以上、潜行して(何らかの原因で)浮上できなくなり圧壊したのではないか――という推測を報じています。

改良工事に不備はなかったのかという話

これが真実であるかどうかは、「ナンガラ402」を発見して調査するしかありませんが、2012年に韓国で施された改良工事に不備があったのではないか、との推測も出ています。

インドネシアの大手ポータル『Detikニュース』によると、Tubagus Hasanuddin(ツバガス・ハサヌディン)元インドネシア軍少将は今回の事故に哀悼の意を表すると共に「改造に失敗したのではないか」という疑念を発しています。

同記事から注目すべきポイントを引用します。

(前略)
PDIP(インドネシア民主党:筆者注)の政治家は、「ナンガラ402」が2年間(改良工事を請けるため)韓国に行き、2012年に帰国したことを明らかにした。

当時、ハサヌディン氏によれば、「ナンガラ402」の完全な修理と技術の更新を行うために、約7,500万ドル(約1兆5,000億ルピア)の予算が費やされた。

「改造はスペアパーツを交換するだけでなく、潜水艦の構造、特に魚雷兵器システムに変更があったと推定されている」と彼は言う。

しかし、ハサヌディン氏によると、同年、「ナンガラ402」は(魚雷の)試射を行ったが、カバーシステムの問題により魚雷を発射できなかったため失敗。この件では、最高の兵士3人が死亡した。

その後、1978年ドイツ製の潜水艦が韓国のチームによって修理されたと彼は続けた。

「この修理の結果、『ナンガラ402』が沈没するほど間違った構造を備えるようになったのではないかと思う。これは非常に残念なことだ」とハサヌディン氏は語った。
(後略)

『Detik News』「TB Hasanuddin Duga Retrofit KRI Nanggala-402 di Korsel Gagal」

中段の魚雷の試射で死亡事故があったという件は調べてみましたが、見つかりませんでした。また、記事の中では時系列が混乱しており。この事故が韓国で改良を受ける前のことで、そのために改良されたのか、それとも改良を受けた後で起こったことなのかで重要性は全く異なります。

ただ、ハサヌディン元少将が韓国で受けた改良工事に疑念を抱いていることは確かです。

しかし、現在のところ仮説に過ぎません。また、韓国メディア『韓国経済』は軍事消息筋から取材したとして「ナンガラ402が2018年以降潜行したことがない」と報道しています。これが真実であれば明らかにインドネシア海軍のメンテ不足といえます。

ともあれ、本当はどうなのかは事故調査の結果を待たなければ分からないでしょう。

最後に、亡くなられた乗員の皆さま、そのご家族の方々に心より哀悼の意を表します。

(吉田ハンチング@dcp)

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