2022年01月03日、韓国青瓦台・大統領府から文在寅大統領の新年の挨拶が公開されました。
注目ポイントをご紹介します。
尊敬する国民の皆さん、
2022年、新年の出発点に戻りました。
激動する世界史、厳しい状況の只中で私たちは希望の新年を迎えます。
(中略)憲政史上初の大統領弾劾という局面で発足した韓国政府は、崩壊した憲政秩序を立て直し、民主主義を進展させました。
権力機関がもはや国民の上で君臨できないように、牽制とバランスの原理が働く権力機関改革を制度化しました。
権力の壁は低くなり、国民の参加はさらに活発になりました。
透明性と開放性が拡大した社会、言論の自由と人権が伸張する国となりました。
世界で認められる「完全な民主主義国家」の隊列に加わり、さらに成熟した民主主義に進みました。
⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「2022年新年の挨拶」
高位公職者犯罪捜査処 を作ったことなどが権力の壁を下げたことになるのでしょうか。また、政府与党が進めていたいわゆる「メディア規制法」は言論の自由を束縛する方向での改革ではなかったのでしょうか。
(前略)
発足当時、一触即発の戦争危機状況の中で、対話の道筋をつけて平和の道を作っていきました。まだ未完の平和であり、時には緊張が助成されることもありますが、朝鮮半島の状況はいつもより安定的に管理されています。
分断国家であり、戦争を経験した私たちにとって、平和よりも貴重な価値はありません。
平和は繁栄のための不可欠な前提です。しかし、平和は制度化されなければ揺れやすいです。最後まで頑張ります。
私たちが主導してきた南北対話と北米対話によって、今の平和が支えられてきたという事実を忘れてはなりません。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「2022年新年の挨拶」
文大統領の仲介にノせられた北朝鮮の金正恩総書記がアメリカ合衆国・トランプ大統領とハノイ会談で決裂。金総書記は文大統領に「仲介者ヅラするな」とまで罵倒されたのをお忘れのようです。また、朝鮮半島の状況はもはや北朝鮮次第であり、南朝鮮が関与できる余地は狭まっています。
(前略)
全世界でコロナが大流行した過去2年は、まさに政府と国民が一つになって危機を乗り越えてきた期間でした。私たちは危機に強い大韓民国の底力を再び示し、危機をむしろ機会に変えました。
全ての国が一斉にコロナを経験したので、K-防疫の優秀さが自然に際立ちました。
世界は防疫模範国家である大韓民国に注目し、私たちは私たちの地位を再発見し、誇りを感じることができました。
政府の努力と医療スタッフの献身、国民の高い共同体意識が共に成し遂げられた成果です。
とても誇りに思い、深く感謝します。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「2022年新年の挨拶」
「K-防疫」が復活しました。「K-防疫」は失敗だったと非難されたのは2020年12月だったのですが。「防疫模範国家である大韓民国」とのことです。
世界最高水準のイノベーション力が私たちの経済の成長と飛躍を導く力となっています。
主力製造業の競争力がさらに強化され、世界を先導していく新産業分野が日増しになっています。
K-文化が世界人の心をひきつけ、文化コンテンツ産業まで新たな成長動力で浮上しています。
第二ベンチャーブームの普及は私たちの経済をよりダイナミックに変えています。
私たちの経済の驚くべき成長と共に、より肯定的な変化は、所得不平等と格差拡大の問題が絶えず改善されているということです。
⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「2022年新年の挨拶」
「世界最高水準のイノベーション力」があるそうです。
(前略)
大韓民国は過去70年間、世界で最も成功した国となりました。第二次世界大戦後、途上国から先進国に入った唯一の国が大韓民国です。
経済力、軍事力、外交力、文化力量など多方面で「世界Top10」国となりました。
アルファベット「K」が韓国を意味する修飾語になりました。
数多くのKが世界に羽ばたき、K-産業がグローバル市場を主導する時代を開いています。
誰も私たちの国民が成し遂げた国家的成就を否定したり、非難することはできないでしょう。
政府は、これまでに成し遂げた国家的達成が、次の政府でより大きな飛躍を遂げる基礎となるように、最後まで最善を尽くします。
⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「2022年新年の挨拶」
「誰も私たちの国民が成し遂げた国家的成就を否定したり、非難することはできない」は、先にご紹介した「K-防疫が失敗したとか言うな」というのと同じ文脈で理解できます。文大統領の成果を否定したり、非難したりするなと言っているのです。
ちなみに、将来韓国が開発途上国に戻ったら、アルゼンチンに続いて「先進国になったものの開発途上国に転落した」世界二例目になるでしょう(現在の韓国が先進国かどうかはともかく)。
(前略)
今は、南と北の意志と協力が何よりも重要な時です。再会し、協力すれば国際社会も呼応するでしょう。
政府は機会を捉えて最後まで南北関係の正常化と後戻させない平和の道を模索し、次の政府でも対話の努力が続くことを願っています。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「2022年新年の挨拶」
文大統領は現在押し進めている「朝鮮戦争の終結宣言」を諦めてはいません。「南北首脳が会えば国際社会も呼応する」などと述べています。
果たしてそうかは大いに疑問ですが、少なくとも文大統領はそう考えているのです。
(吉田ハンチング@dcp)