中国企業が韓国完成自動車メーカーの一角『ルノーコリア』に食指を動かしました。
先にご紹介したとおり、韓国の完成自動車メーカーは『現代自動車』『起亜自動車』の勝ち組、『韓国GM』『ルノーコリア』『双竜自動車』の負け組に分けられます。
『韓国GM』『ルノーコリア』『双竜自動車』は業績が赤字続きで、『双竜自動車』はいまだ再建のめどが立たず、『韓国GM』『ルノーコリア』の2社は、親会社である『GM』『ルノー』は持て余し気味となっています。
その『ルノーコリア』ですが、2022年05月10日、中国最大の民営自動車グループ『奇瑞(チェリー)』が『ルノーコリア』の株式の34.02%を持つことになることが分かりました。
これまで『ルノー』グループが80.1%、『サムスンカード』が19.9%を保有していたのですが、『ルノーコリア』が新株を発行し、『奇瑞(チェリー)』が株式を取得。
これによって、『ルノーコリア』52.9%、『奇瑞(チェリー)』34.02%、『サムスンカード』13.1%の株式保有比率となります。
『ルノー』グループは2021年に『奇瑞(チェリー)』と韓国市場向けのハイブリッド車を共同開発するという契約を締結していました。いよいよこれに向けてプロジェクトが進むということでしょう。新しいハイブリッド車は釜山工場で生産される予定です。
先にご紹介したことがありますが、中国企業はすでに自動車の輸出で大きな成果を挙げています。
2021年の中国の自動車輸出は202万台に達しているのです。これは2020年の約2倍。
このまま進めば中国産の自動車に韓国市場も席巻されてしまうかもしれません。また、中国の自動車企業によって韓国の自動車企業が買収されていく可能性もあります。気が付いたら『ルノーコリア』『韓国GM』は中国企業がオーナー――ということもあり得るのです。
韓国の自動車産業は弱体化を続けており、今回の『ルノーコリア』の株式取得もそのような流れの中で捉えるべきかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)