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韓国小口の私債が流行。年利3400%の闇金

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韓国で私債についての注目されています。

先に少しだけご紹介しましたが、私債は完全な闇金です。韓国では重要な資金調達源でした。私債をなくすことは不可能であるといわれたほど経済活動に密着していたのです。

室谷克実先生の著作によれば、大企業の会長が率先して私債の金主になっていたほどです。自分の会社から金を引き出して私服を肥やすのです。

例えば、こんな具合です――企業から会長個人に特別な「貸付」を行います。出張費の仮払いとかそのような生やさしい金額ではありません。企業の財務に関わるような巨額です。

会長はこれを私債に貸し付けるのです。フロントは貸付業者で金主の姿は見えませんので、会長が企業の資金を私債に投じていることは分かりません。会長は企業の金を私的流用して私債に提供することで巨額の利払いを受け、かつ脱税できます。

話が長くなるので端折りますが、実は韓国のチョンセというシステムは私債の資金供給源でもありました。月々の家賃で小額ずつもらうのではなく、不動産を貸し出す際に一気に巨額を受け取るチョンセは、私債の資金源として非常に都合が良いのです。

オーナーは受け取るまとまったお金を金主として私債に提供。私債業者がこれを貸し出しべらぼう金利を稼ぐのです。室谷先生によれば、賃貸物件の契約に「チョンセは絶対にイヤだ」と言うとオーナーは「私債の金利分を載せた家賃を提示してくる」ことがあった、とのこと。

⇒参照・引用元:『新版「韓国人」の経済学―これが「外華内貧」経済の内幕だ』著:室谷克実,ダイヤモンド社,1989年01月20日 新版発行

ともあれ、私債という闇金システムは韓国経済と深く結び付いてきたのです。

現在私債が注目されているのは、金利が上がって資金調達が容易ではないからです。

私債に手を出してデフォルトした不動産企業をMoney1でもご紹介しましたが、特に家計部門において、所得脆弱層が私債に頼っている状況がメディアでも報じられるようになっています。

韓国メディア『朝鮮日報』の記事から一部を以下に引用してみます。

(前略)
ローン仲介サイトに入ってみたところ、数十万ウォン程度を急いで融通してほしいという切迫した文が多い。

カードローンを拒否され、貯蓄銀行も貸し出し条件をクリアできないほどクレジットスコアが低い人々だ。これらの人々にとっては「ワラにもすがる」思いだ。

電話番号を残すと社債業者が連絡する場合が多い。業者はいわゆる「30・50」を提示する。

30万ウォンを借りて1週間後に50万ウォンを返済する方式で、年利3,400%を超える暴力的な利率だ。

同様の構造で「50・80」もある。
(後略)

⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「[데스크에서] 사채업 키우는 ‘착한 금리’」

貯蓄銀行の貸し出し条件をクリアできる信用スコアの人が、仕方なく私債の暴力的とも形容される利率でお金を借りざるを得なくなっているのです。

私債業者が活況を呈しているとしていますが、最近のトレンドとして、私債業者は小口貸し出しを行っていると伝えるメディアもあります。『韓国経済』では、大邱で10年間余り合法貸付業を運営しているA氏に最近の違法貸付業実態を聞いた――という記事を出しいますが、そのA氏は以下のように語っているのです。

(前略)
「もし300万ウォンが必要な人が来たら、「信頼を積むべきだ」という名目で20万ウォンを先に借りさせて月利子20万ウォン(年利率1,200%)を受け取ります。

これを数回行えば80万ウォンくらいを引き出すことができます。

では、その後に300万ウォンを貸してくれるかというと貸しません。そこから連絡が取れなくなります。これが最近流行の手口です」
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国経済』「청량리 ‘대부 명함’ 실종 사건… “돈 꿀 곳이 없다”」

同記事によれば、かつての私債のように大きな金額を貸す気はなく、ちまちまと小分けにして法外な利子を受け取り、ある程度いったら関係を断つとのことです。闇金も工夫しているなぁという感じですが、私債が記事となるほどお金に困っている人が増えているということです。

企業も同様で、資金調達に困難が出れば私債から借りてデフォルト騒動が増加します。

(吉田ハンチング@dcp)

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