2023年09月20日、韓国の金融監督院が驚くべきプレスリリースを出しました。
Money1でも先にご紹介した『慶南銀行』で発生した、PF(プロジェクトファイナンス)絡みの横領事件ですが、先に金融監督院が公表した際には、被害額は「562億ウォン」でした。
韓国・銀行員が「562億ウォン」横領。不動産PF絡み
韓国は詐欺大国といわれますが、これはうそではありません。2023年08月02日、韓国の金融監督院が以下の緊急プレスリリースを出しました。■金融監督院(院長イ・ボクヒョン)は慶南銀行で発生したPFローン横領事故を報告された直ちに緊急現場検査に...
ところが、今回の発表によると「よく調べてみたら合計2,988億ウォンでした」となっています(以下が金融監督院の公表ページ)。
被害額の桁が一つ上がって、約5.3倍に増えました。
この横領した職員は、
2009年05月から2022年05月までに16の事業で64回にわたり融資元本返済資金1,965億ウォンを横領
2012年12月から2022年7月まで5つの事業で13回にわたり1,023億ウォンの融資金を横領
ざっくり1/10で換算しても「約299億円」の横領です。
『慶南銀行』の管理体制はいったいどうなっていたのか――という話ですが――。
金融監督院は「『慶南銀行』と『BNK金融持株会社』※の内部統制が事実上全く機能せず、損失規模を拡大した」と判断しています。
※『慶南銀行』は『BNK金融持株会社』の傘下です。
「そりゃそうでしょうねえ」という、今さらどうしようもない結論です。
呆れることに、『BNK金融』は、『慶南銀行』の内部管理を書面で実施しながらも、傘下に編入した2014年10月以降、PFローンの取り扱いや管理など高リスク業務については一度も点検したことがない――とのこと。
ずさんという他はない話です。問題はこれが氷山の一角ではあるまいな――という疑念が残ることです。
(吉田ハンチング@dcp)