2024年09月30日、韓国の文化体育観光部(略称「文体部」)が面白いプレスリリースを出しました。
「持続可能な韓流に基づいてK-コンテンツと関連産業の輸出を拡大する」というタイトルです。
「持続可能な韓流」ってなんだ――なのですが、同部は至って真剣です。
Money1でもご紹介しましたが、2023年02月に韓国政府は大統領主宰で「第4回輸出戦略会議」を開催。
後続措置として、2023年06月、「韓流協力委員会」を官民協力機構として「K-コンテンツ輸出協議会」に拡大改編。K-コンテンツと関連産業の輸出を支援するためのオール政府での政策を策定してきました。
2023年02月の会議で尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、
「K-コンテンツが世界的な人気を集め、輸出規模が拡大し、前後の関連効果まで考慮すれば、膨大な経済的価値を生み出している。
関係省庁は、海外コンテンツをファッション、観光、食品、情報技術(IT)などと連携して高付加価値化するために最善を尽くしてほしい」
と述べました。半導体が凹んで「何か他の輸出品目はないのか」と発破をかけていた頃です。「K-コンテンツが世界的な人気を集め」の前提がもう間違っているのですが、何もない韓国ではそうでも言って自分を励まさないと仕方ありません。
このプレスリリースの中でも、このようにします――という意見表明がいろいろされていますが、
輸出企業の段階別オーダーメイド支援の強化およびコンテンツ分野別の特化型輸出支援
などのように、「ちょっと何言っているか分からない」なものばかりが並んでいます。
面白いのは以下です。
(前略)また、中華圏・日本に集中しているコンテンツ輸出市場の限界を克服するため、コンテンツ企業の海外公共支社の役割を担う海外コンテンツビジネスセンターを拡大(’24年25カ所→ ’25年30カ所)し、その役割を強化する方針だ。
(後略)
中華圏・日本に消費が集中していることを正直に告白しています。「アメリカで大人気」などの発言は……ウソだったわけですね。
こういうのが古田博司先生も指摘する「韓国人はうそつきだが正直だ」という点です。ちなみに対句は「日本人は正直だが不誠実」です。
そもそもコンテンツの輸出を大きくするのに「センターをたくさん作る」というのは本当に効くのでしょうか。
また次の部分も「待ってました!」です。
(前略)
「K-コンテンツ・メディア戦略ファンド」などの政策金融を2024年、総額1兆7,400億ウォン規模で供給する。輸出支援のための輸出専門人材及びコンテンツ専門翻訳人材の育成とともに、世界市場で韓国企業の競争力を高めるための技術分野のスタートアップ育成(R&D)も強化する。
(後略)
韓国は何かというと「◯◯基金」「△△ファンド」を組成するヘンな国ですが、「K-コンテンツ・メディア戦略ファンド」を作るそうです。これはとにかく歴代政権のお家芸。
勝手にやればいいですが、政権が変わるとスグに忘れ去られて閑古鳥が泣きます――ここまでがお家芸です。
この後も「K-水産食品(Seafood)」「K-美容(ビューティー)」をK-コンテンツと連携して集中販促する――などのばかばかしい提案が続きます。詳細をお知りになりたい方は上掲を参照してください。
じーさんが雁首寄せ合ってコンテンツ振興策なんてものを考えている段階で駄目でしょ。それは。
コンテンツってお金突っ込めばできるものじゃないよ
韓国政府いや朝鮮人が完全に間違っているのは、コンテンツがお金突っ込めばなんとかなるだとう――と考えている点です。
漫画でも映画でも、音楽でも、突破していくのはクリエイターの才能です。
若いにーちゃんやねーちゃんを踊らせて、それっぽいことを歌詞にして流行りのメロディーに乗せれば売れるんだろう?――などと考えているから工業製品みたいなものしかできないのです。
工業製品は消費するものであって、人を感動させるものではありません。
「わが国は半導体強国!」も怪しくなってきたので、もっと輸出品目を新たに探さなければならないのですが、読者の皆さまもご存じのとおり、韓国は日本から技術剽窃に励んで経済を伸ばしてきたので、剽窃できなくなると何もないのです。
中国企業に追いつかれると価格競争では勝てませんので、もはや突き当りの袋小路です。
ですので、K-POPでもいいので輸出を伸ばさないと仕方がありません。
「持続可能な韓流」などといっているのもその焦燥感の表れといってもいいでしょう。
ね、だんだん「ラーメンと海苔とK-POP」になってきたでしょう?
(吉田ハンチング@dcp)