2025年01月20日が就任式で、アメリカ合衆国にトランプ大統領が再登板します。
『朝鮮日報』が面白い記事を出しています。中国で「トランプさんを指示する人たちが盛り上がっている」――というのです。
↑『朝鮮日報』の同記事/スクリーンショット。
アメリカ合衆国が中国との対立を深める方向で動いていますし、トランプさんは大統領選挙のときから「中国への圧力をさらに強める」と主張してきました。中国の皆さんからすれば天敵のはずです。
それなのに、中国の皆さんの間で支持が盛り上がっているのというのは、どういうことなのでしょうか。
『朝鮮日報』は以下のように書いています。
反米感情が蔓延する中国で、来年01月にホワイトハウスに復帰するドナルド・トランプ米大統領(当選者)の人気が一部の集団を中心に高まるという奇妙な現象が起きている。
イギリスの週刊誌『エコノミスト』によると、トランプ氏が中国に対して強硬な関税政策を予告しているにもかかわらず、彼の保守的な価値観や他国の内政に無関心な姿勢を支持する中国人が急増しているという。
(中略)
■ 保守的な男性や愛国主義者に支持
まず、中国の保守的な傾向を持つ男性たちは、トランプ氏の性的少数者(LGBT)やフェミニズムに対する強硬な立場に熱狂している。国内でも活動の幅を広げつつある性的少数者などへの嫌悪感が、トランプ支持という形で表出しているのだ。
中国のSNS『微博(ウェイボー)』でLGBT反対運動を展開する医師・寧方剛氏は、「トランプの大統領選勝利から中国政府が学ぶべき教訓は多い」と述べ、「最も重要なのは『騒々しい声』が必ずしも国民の意思を代弁していないということだ」と語った。
中国の「小粉紅(シャオフェンホン、若い愛国主義者)」も、トランプを支持する代表的な勢力だ。
彼らはトランプを「懂王(なんでも知ったかぶりをする王様)」や「川建国同志(トランプの貿易戦争が逆に中国の国力を高めたという意味)」といったインターネット・ミーム(ジョーク)で揶揄しながらも、一種の「憎らしさが混じった愛情」を抱いている。
さらに、トランプ氏が選挙運動中に銃撃事件に遭った「ドラマ」も加わり、一部の小粉紅は彼を「強い指導者の象徴」として称賛している。
■ トランプの実利性を信じる層も
また、トランプ政権が中国に実質的な利益をもたらすと信じるアメリカ留学経験者も増えている。微博で180万人のフォロワーを持つハーバード大学出身の「金持ちの子息」政治評論家・涂咫氏は、11日に「反中政治が極限に達したアメリカで、トランプは『中国を最も嫌っていない政治家』になった」と評価した。
彼は、ビジネスマンとしての傾向が強いトランプ氏は中国の政治体制を変える意図が全くなく、台湾や新疆ウイグル自治区などに関する中国の内政問題に無関心であり、米中の軍事衝突を避けようとしていると分析した。
■ 民意は政府の意向と異なる?
トランプ当選前の先月初めに北京で会ったある有力メディアの記者は、「新聞を広げればハリス(副大統領)の支持を訴える声が聞こえるが、SNSではトランプファンが溢れている」と語った。当時、中国政府を代弁する主流メディアや学者たちは、より慎重に中国に接近すると見られる民主党のカマラ・ハリス副大統領候補を好んでいた。しかし、中国の大衆の民意は率直な表現を好むトランプ氏の方に傾くケースが多かったという。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「反米感情強い中国でトランプ人気が高まる理由」
『朝鮮日報』の論評が正しいかどうか分かりませんが、中国の皆さんが「誰かこの中国共産党の支配を終わらせてくれ」と願っていて、それをトランプさんに仮託して支持している――という見方はどうでしょうか。
いわば「そんなとき、ウルトラマンがほしい♪」です。
上掲の先記事でご紹介したことがありますが――中国の皆さんは、本土の株式市場が急落した際に、あろうことかアメリカ合衆国大使館のSNSアカウトントに「助けてください」「アメリカを愛しています」などの書き込みを殺到させた――ことがあります。
ソ連がまだ存在していたとき――(当時ソ連を改革する旗手と見られていた)ミハエル・ゴルバチョフさんが1989年05月に中国を訪問した際に、北京の天安門広場で学生たちが「ゴルビー」コールを行う場面がありました(学生たちゴルバチョフさんとの面談を求めた)。
これは、当時の中国で進行中だった民主化運動の最中に起こった出来事です。天安門事件は「8964」ですから、この後「64」が起こるのです。
――天安門事件はともかく、中国でトランプさんの支持が高まっているというのが本当だとしたら、それは中国の皆さんの閉塞感を反映したもののように見えます。自国の指導者に訴えるのではなく、他国の指導者を支持するのですから。
もっとも、合衆国が、トランプ大統領が――うらやましく見えるのは、日本もあまり変わりません。いい悪いはともかくとして、力強い指導者がいるというのは安心感を与えますから。
なにせ日本は――石破茂です。泣きたくなりますね。
どうして世界最大の債権国のTopがこんなボンクラなのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)