2020年08月01日、UAEで韓国産の原発1基が稼働しました。これは「バラカ原子力発電所」で4基建造されているうちの最初の1基。
韓国企業の不手際で遅延してきた!
韓国ウォッチャーの皆さんは「やっと稼働か」と思われるでしょう。一般にはあまり知られていませんが、このUAEにおける原子力発電所建設計画は著しく遅延しているのです。
原因は韓国企業の不手際です。
このバラカ原発、4発の原子炉建造は、
2009年12月:受注
2012年:建造開始
2017年:1号機完成
2018年:運転開始
というスケジュールでした。
ところが、建造開始したものの自分たちの技術力不足で「東芝・GE」に泣きつく、格納建屋で亀裂が発見されて対処、などが起こったため、2020年の今になってやっとこさ「稼働」なのです。
この件を報じた韓国メディア『中央日報(日本語版)』の記事に面白い記述があるのでご紹介します。
韓国電力コンソーシアムは2009年12月にバラカ原発事業を受注し、2012年7月に着工した。
当初2017年上半期に1号機を試験運転する計画だったが、UAE政府から安全と自国民高級運用人材養成などを理由に運転時期を数回延期した。
まるで稼働まで時間がかかったのは「UAEのせいだ」といわんばかりの書きようですが、違います。
韓国企業の技術不足、施工ミスが原因です。『ヨルシカ』の名曲のフレーズではありませんが「あんたのせいだ」です。
安全性は大丈夫なのか、という話
ともあれ、やっと稼働です。韓国が推進した「原発輸出」の最初の成功例と韓国メディアでは喜んでいます(かなりの確率で最後の成功例になるでしょう)。
今回の稼働について、ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム(シェイク・モハメド)副大統領は、以下のような2件のtweetをしていらっしゃいます。
本日、アラブ首長国連邦で最初の平和な原子力利用、 UAEにおけるアブダビのバラカ原子力発電所は、原子炉の運転に成功したと発表しました。
作業チームは、核燃料パッケージの搭載、包括的なテストの実施、そして運転に成功しました。
兄のモハメドビンザイードがこの功績を祝福したことを感謝します。
⇒参照・引用元:Twitter『シェイク・モハメド副大統領』2020年8月1日-午後4:59(原文・アラビア語/筆者(バカ)意訳)以下同
目標は、4つの原子力発電所を運営して、4分の1の電力を安全で信頼性の高い方法で提供することです。
UAEは原子を分割し、銀河を探索したいと考えています。
アラブ人が科学の道を再開し、他の大国と競争できるという世界へのメッセージ以外の何ものでもありません。
せっかく副大統領(首長でもあります)がお喜びのところを、水をさすようですが、安全性に問題はないのか、という点が気になります。
先(2020年03月)にご紹介しましたが、韓国型原発というのは、
「韓国がUAEに建設している低価格型バラカ原発の設計図では二重格納建物が抜けている」
「欧州では必須のこの装置がないというのは、エアバッグと安全ベルトなしに車を運転するのと変わらない」
と専門家から評されたこともあるのです。「安物買いの銭失い」といいますが、買ったのは「原発」。何かあったら、失うのは「お金」だけで済みません。
(柏ケミカル@dcp)