対中国の切れ者・余茂春が中国のプロパガンダ4つの特徴を指摘!

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やる男」マシュー・ポッティンガーさんに続いて、名前だけでも覚えて帰っていただきたい余茂春さんの新しい動きについてご紹介します。余さんもなかなかの人物です。

対中国のブレーン「余茂春」とは?


↑マイク・ポンペオ国務長官(左)と余さん(2020年)PHOTO(C)合衆国国務省

余茂春さんは前トランプ政権でアメリカ合衆国国務長官・政策計画室において対中国の策を練るためのブレーンを努めた人です。

余さんの略歴は以下のようになります。

1962年 中国安徽省生まれ
1983年 中国『南開大学』史学科卒業。
1985年 渡米
1994年 『カリフォルニア大学』バークレー校で歴史学博士号を取得。合衆国海軍兵学校(アナポリス)軍事史教授(専門は東アジアおよび軍事・海軍史)
1996年 『ラジオフリーアジア』編集顧問
2017年 合衆国国務省国務長官の中国政策顧問
2021年 シンクタンク『ハドソン研究所』上級研究員
『フーバー研究所』客員研究員でもある

長年アナポリスで教授を務めているため、海軍軍人には圧倒的な人脈を持ち、かつての教え子から大きな信頼を得ています。余さんの特筆すべき経歴は、1989年06月04日の天安門事件の後、中国の民主化活動に参加し、中国から逃れた学生がロサンゼルスに定住するのを支援したことがあるという点です。

トランプ政権においては「中国共産党と中国人は分けて考えるべき」というコンセプトを示唆し、これがポンペオ国務長官、トランプ大統領から支持され、そのまま政権の方針になりました。

中国共産党からは「裏切り者」と蛇蝎(だかつ)の如く嫌われています。つまり、それだけ中国の痛いところを突く智恵と勇気を持っているというわけです(中国を怒らせる発言は覚悟がなければできません)。

余さんをブレーンに据えたマイク・ポンペオ国務長官の慧眼と抜擢人事は素晴らしいものだったといえます。このような人材を抱えており、その人材を抜擢して適所にはめることができる合衆国をうらやましいと思わずにはいられません。

中国共産党のプロパガンダ4つの特徴とは?

余さんは2021年05月05日『フーバー研究所』公式サイトで「Beijing’s Woke Propaganda War in America(北京が起こしたアメリカでのプロパガンダ戦争)」という論考を発表しました。

まず、プロパガンダについて以下のように述べています。

プロパガンダの歴史は中世の印刷機よりも古く、通信技術の革新はプロパガンダの範囲を拡大している。

プロパガンダといえば、20世紀に熱心に行われたドイツのナチスとソ連の共産主義者を思い浮かべる人が多いだろう。

ヒトラーのプロパガンダ大臣であったヨーゼフ・ゲッベルスは、全体主義体制におけるプロパガンダの役割を明確に示した。

世論の形成を監督することは、国家の絶対的な権利である。すべてのニュースを掲載するのではなく、報道政策を管理する者は、全てのニュースが一定の目的を果たすようにしなければならない」と。

今日の全体主義者も同じ考えを持っています。

ナチスやソビエトのように、21世紀の北京の共産主義者もまた、最も重要な体制支援メカニズムとしてプロパガンダを重視している

そして、中国共産党のプロパガンダは、かつてのプロパガンダと比べて、先端技術の恩恵を大きく受けており、よりシステム化され、洗練され、危険なほど効果的になっている。

今日の中国では、中国共産党中央委員会の中央宣伝部が巨大な権限と資源を持ち、共産主義国家のあらゆるレベルで数千万人の共産主義者の「宣伝員」を雇用し、予算も無制限である。
(後略)

中国共産党のプロパガンダについて以下の4つの特徴を挙げています。

First, the CCP’s disinformation campaign in the U.S. has been massive.
まず、中国共産党の米国での偽情報キャンペーンは大規模なものである。

Second, elite capture, often euphemistically referred to as the United Front Work, has been a seasoned practice of the CCP in conducting propaganda in the United States.
第2に、エリートの取り込みは、しばしば「統一戦線工作」と婉曲的に呼ばれ、中国共産党が合衆国でプロパガンダを行う際の常套手段となっている。

Third, beyond disinformation and elite capture, the CCP’s propaganda is effective in the U.S. because of our key cultural institutions’ systemic self-censorship out of fear of the CCP.
第3に、情報操作やエリートの取り込みに加えて、中国共産党のプロパガンダがアメリカで効果的に行われているのは、アメリカの主要な文化機関が中国共産党を恐れてシステム的に自己検閲を行っているからである。

The fourth, and most severe, form of communist propaganda today is brainwashing.
第4に、今日の共産主義プロパガンダの最も重度のものは洗脳である。

最後に余さんはこう結んでいます。

(前略)
Theodore White is dead, but the CCP is not. America is ever more vulnerable to the CCP’s propaganda today than ever before.

セオドア・ホワイトは死んだが、中国共産党は死んではいない

今日のアメリカは、かつてないほど中国共産党のプロパガンダに対して脆弱である。

セオドア・ホワイトは、第二次大戦戦中に『タイム』誌の特派員として中国に赴いた経験のある記者です。ホワイトさんの著書『歴史の探究』(In Search of History)の中に、毛沢東の右腕の1人にインタビューした際のエピソードがあり、出征した兵士が帰還した際には「脳を作りかえねばならない」と述べています。そのために「意識改革」(原文はconsciousness raising)という言葉が作られ、これが合衆国にまで浸透していったと。

このようなプロパガンダ、洗脳の歴史を踏まえて――その著者であるホワイトさんはすでに亡くなっているが、中国共産党はいまだに死んでおらず、まだ「意識改革」という手段でわれわれを洗脳しているのだと指摘しているのです。

合衆国が中国共産党のプロパガンダに対して脆弱というのなら、翻って日本はどうでしょうか。

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(吉田ハンチング@dcp)

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